4.職員会、理事会組織
学校は生徒だけで成り立っているのではありません。教師を中心とする職員たちも、学園生活に大きな影響を与えていることはいうまでもないでしょう。
職員会も中等部、高等部、大学部(教授会)で別個になっており、高等部職員会は高等部学校長が宰領します。各職員会(教授会)を統括する学園長に相当する職は設置されておらず、事実上そうした統括はオーナーである理事会が行っています。以下は高等部の職員会及び理事会についてみてみましょう。
職員会は機能に応じていくつかの部会に分かれています。まず、行事など学校全体に関わる問題を所管し、また他の部会の活動方針・内容を最終的に承認する組織として運営委員会があります。この下に、生活指導部や特設の部会などがあります。
◆運営委員会:全校に関わる問題や学校全体の運営方針や、学年間・部会間の調整などを行う場。学校長・柳川章吾が宰領。一般的な学校行事に関しても所管するため、生徒会が交渉する対象でもある。
◆生活指導部:読んで字の如く、生徒の生活指導を行う。但し、風紀委員会を設置してからは直接に一般生徒に指導するのは形式的訓辞とよっぽどの事態に限られるようになり、もっぱら生徒会執行部や風紀委員会を通じて活動する。ただ、新理事長の方針もあり、一部に干渉を強める教師もいる。各学年に生活指導担当の教師がいる。
◆生徒活動振興部:個性的な活動をしている生徒を見つけ、それを全校に紹介することなどを通じて、「自由・自主」の校風を実りあるものにしようという前理事長と初代校長の強い意向で、「当分の間」と期限付きで設置された。現部会長は教頭の丸山英文。現在、生徒の個性的な活動は自発的になされるようになったとの見方から、廃止も検討されている。
学年ごとの組織としては、学年会が全校における運営委員会と同じ働きをしています。この下に、教科教育について同学年を担当する教師間で調整する教科会や、進路指導部などが存在します。
◆学年会:各学年に関して方針や実際の運営上の案件などを決める機関。学年顧問が長をつとめ、学級担任が所属する。修学旅行など学年ごとの行事などについて、細部を詰めるのもここ。
◆教科会:学年の教科担任の教師が所属し、単元を取り上げる順序や試験問題の作成など、教科教育の実務をこなす。但し、体育科は学年に縛られず、高等部全体で組織される。
◆体育科:体育科の教科会。体育教官室という一室を確保し、他の教科会とは一線を画す。体育委員が出入りする。生徒指導部の教師が多く、体育会ノリ。傾向として、新理事長寄りの規律を重視する教師が多く、生徒会・風紀委員には頭の痛い存在。
◆進路指導部:卒業後の進路について、資料を収集・管理し、適宜説明する。要するに大学受験の指導と就職斡旋を担当。
職員会とはやや位置づけの異なる機関として、図書館があります。図書館(図書室)は見かけ上は高等部に属していながら、実際には大学図書館の分室という機構になっています。
職員会の上部に、オーナーとして折に触れて助言・勧告を行う機関として、理事会があります。
◆理事会:理事長・御堂誠一氏が宰領。前理事長時代は学園の教育方針である「自由と自主性」に対して一家言ある教育界の大物などを名誉理事として、時折学園の運営に助言・勧告を行ってきた。理事長交代に伴って人事が一新され、現在は理事長の独裁体制に近い。理事長は理事会を用いず直接に学園に口出しすることが多いため、有効に機能しているとは言い難い。
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