「妹の日」記念シナリオ リプレイ
第4幕 今井家と瀬戸家の家庭の事情
GM:笑美子がアルバイト終わって、家に帰ったところ。今日はあなたが帰ってきたときには、お母さんは帰ってきている。
今井笑美子:「お母さん、今日は早いのね」
GM:そうではなく、君のバイトが遅いだけだが。何時に帰ってくるの? それによって決まる。基本的に学校行った後のバイトだから、そんな早くはないと思うんだけど。
笑美子:じゃあ、わたしの方が遅いな。
GM:だろ。
木村誠二:9時くらいかな?
笑美子:「ただいまー」
今井幸香(GM):「おかえり」
笑美子:「あー、疲れた。今日の晩ご飯、何?」
誠二:肉じゃが。
GM:今日の晩ご飯、何だろうね。取り敢えず、子供が喜ぶカレーライスにしておこうか。
笑美子:(笑)
瀬戸愁也:ガキじゃありません。
瀬戸怜花:肉じゃがにしませんか?
GM:じゃあ、肉じゃが。
誠二:子供いないと思うけどな、この家。兄弟いないの、この家?
笑美子:いません。
誠二:まあ、いなさげだな。
GM:じゃあ、肉じゃがと、あと……?
愁也:鯖の味噌煮。
笑美子:(笑)
誠二:鯖味噌。
GM:まぁ、そんな感じで。
幸香:「そろそろ年末だから。仕事も忙しいからね」
笑美子:「あぁ。お母さんも大変ね」
幸香:「でも、今が一番の稼ぎ時だから」
GM:何の仕事をしているかは不明。
笑美子:(笑)
笑美子:「ありがと。でも頑張りすぎて身体壊さないようにね」
幸香:「分かってる」
GM:と言って、にっこり笑います。
幸香:「正月、になったら休みが取れるかな」
笑美子:「お正月、どこか行くの?」
幸香:「故郷(クニ)の方に、帰る気もないから……」
GM:彼女のクニは山形です。
笑美子:山形かぁ。
幸香:「あなたもあんまり、行きたくないでしょう? おばあちゃんに会いたい?」
笑美子:「別に……。ごめん。そんなつもりで言ったんじゃないの」
幸香:「笑美子がそう思うんだったら……」
笑美子:「ううん。別に……」お正月もこっちにいるんだったら、正月に何か出来るかな、と。OK。
GM:白岡には白岡神社か何かがあることにしよう。いや、戸陰神社ってのがあった。
笑美子:トカゲ?
愁也:ありましたねぇ。
怜花:十の陰ですか?
GM:(神社名を書いている)
誠二:戸の陰?
GM:戸隠れだな。
笑美子:戸隠ね、はいはい。
GM:というのがこっちにあって……。地底人伝説の……。
誠二:もしや! 心霊スポットとか。
GM:心霊スポットではなくて、昔、徳間ムックスから「シラギ超古代文明の謎」という本を出版した人がいたんだ。その人によると、白城山を中心にした古代文明があったという話で、城崎市と白岡市のいろんなスポットは、かつてのシラギ超古代分明の遺構でる、と。彼らはいま地底人として、城崎市の地下にすんでいる、というショッキングな内容だな。
誠二:なるほどぉ。
GM:この戸隠神社の中に戸隠の井戸というのがあって、そこが地底世界との通路である、ということになっている。
怜花:何かなぁ。
GM:という話がある。
笑美子:(呆れて)はぁ……。
GM:どうでもいいけど。ということで、その戸隠神社の方に初詣にでも、というところかな。比較的大きな神社。
笑美子:戸隠神社でお正月バイト、イコール……。
幸香:「お正月は、普段の疲れをゆっくり落とすことにしましょうか。何かお友達と話でもあるの?」
笑美子:「いや、別に……。あっ! クリスマスに友達とパーティーしようって話になったんだけど。だからもしかしたら、クリスマスの時は、遅くなるかもしれないし……」
幸香:「じゃあ、ゆっくり楽しんでいらっしゃい」
GM:では、カレンダーにその場で書き込もう。
愁也:クリスマスの日っていうのは、どっちの意味なんですか? イヴ? 24、25どっちなんですか?
笑美子:ま、イヴにしとこ。取り敢えずイヴのつもりで。
GM:OK。そんな感じですね。
怜花:寂しいな、そこの家庭事情。
笑美子:静かでしょう?
GM:じゃあ、瀬戸兄妹の家。CDの2曲目を再生してくれ。
誠二:2曲目らしい。1曲目ではなく2曲目?
GM:ちょっとした手違いでな。
♪♪ 挿入歌 竹内まりあ「家へ帰ろう〜My Sweet Home〜」 ♪♪ スタート
誠二:これ?
GM:OK、OK。君たちが家に帰ってくると、ラジオが流れている。ラジオ……、だろう。曲が始まっちゃってるがその前にDJが何か言ってたと。台所の方からは、トントントントンとリズミカルな音でお母さんが料理をしている。
愁也:じゃあ、「ただいまぁ」と帰ってくる。
瀬戸愛花(GM):「お帰り。今日は一緒だったの?」
怜花:「ただいま」
愁也:「うん、途中で一緒になってね。あぁ、いい香りだね。メシは……。もうちょっとか」
怜花:「お父さん、相変わらず遅いね」
愁也:今、ラジオからこんな曲が流れていると。
GM:流れているという感じですね。
愁也:「取り敢えず、着替えてきて手伝うわ」
怜花:「わたしもー」
挿入歌:♪冷蔵庫の中で 凍りかけた愛を 温めなおしたいのに♪
怜花:じゃあ、わたしは制服の上からエプロンを着て手伝おう。
GM:いや、手伝わなくていいとは言うかな。
挿入歌:♪見る夢が違う 着る服が違う♪
怜花:いや、調理2レベルを!
GM:そうしようとすると、ですね。
挿入歌:♪一度は信じあえた 二人なら……♪
愛花:「怜花、ラジオ切ってくれない?」
愁也:(笑)
怜花:いいんですか?
挿入歌 OFF
GM:聴覚判定。
愁也:聴覚ってのは聞き耳でいいですか? 聴覚なんて技能はないですよ。
GM:聞き耳か、共感。共感かな?
愁也:プレイヤー的には何となく、歌詞を聞いていて分かったかな。
笑美子:よく聞こえなかったというか……。
愁也:(ダイスロール)14。
怜花:(ダイスロール)10。
GM:じゃあ、愁也は、プレイヤーが分かったことが何となく分かる、ということで。では、あまりにアレなので、お母さんの、そういう風に言った台詞の声が、ちょっと、涙声がかってる。
愁也:じゃあ、さすがに……。それを聞いたら俺も、気まずいなぁ、と思って。「2階で勉強してくるわ」と言って、2階に上がっていく。
愛花:「出来たら呼ぶわね」
GM:と言う声は沈んでるわけだ。
怜花:なるほど。で、わたしは分からないと。
GM:なんとなく、雰囲気がおかしいな、というのは分かりますよ。
怜花:ではここで、思い切りはずれたコトを言ってやろうか。「お母さん、しんどいの? 大丈夫?」
GM:そうきたか。
愛花:「大丈夫よ」
怜花:「本当? 無理してない?」
GM:そうか。そう来るか。
怜花:普通の反応だと思いますけどね。
GM:(ダイスロール)
怜花:何を振るんだろう?
愁也:お母さんの愛だろ。
GM:(出目を見て)なるほどなるほど。目端。
怜花:(ダイスロール)13。
GM:じゃあ、あなたは母親の目の端にキラリと光るものを確認できますが、彼女はすっと振り返って。
愛花:「大丈夫だから、あなたも着替えてきなさい」
GM:というふうに言います。
怜花:「うん、分かった」と言って、上がっていきましょう。着替えようか。その前に、兄貴の部屋に、コンコン。
愁也:俺が行こうと思ったら、来たのか(笑)。
怜花:そうしたいならいいですけど。
愁也:あ、別にいいよ。入ってきたらですね、俺は……。
怜花:いや、コンコンコンッてしますよ、当然。
笑美子:ノックするって。
愁也:「あ? ああ」
怜花:「お兄ちゃん……」さすがにいま入ると、着替えの途中かもって一瞬思ったんで。
愁也:着替えはしてないよ、まだ。鞄を下におろした、ということで。
愁也:「あ、ああ。どうした、いきなり。着替えもしないで」
怜花:「何かお母さん、元気ないみたいだから……」
愁也:「まぁ、父さんの帰りも遅いからねぇ。心配してるんだろう?」と白々しく(笑)。
怜花:「そうかなぁ」
笑美子:白々しくって言ってるし。
怜花:共感で振れってこと?
GM:判定しなくても分かるってことだろ。
愁也:いや、別に。判定しないと分かりませんよ、一応。
GM:それはね、(愁也の)プレイヤーが、「共感判定」って言うんだよ。
愁也:10もいらないだろ。
怜花:(ダイスロール)9!
愁也:じゃあ、分かるんじゃない?
GM:白々しいらしい。
誠二:ま、君の反応次第だ。
怜花:なるほど。「お兄ちゃん、何か隠してない?」
愁也:「別に隠してないよ。何を今更隠すんだ?」
誠二;やな兄妹だな。
愁也:じゃあ、取り敢えず、話題を変える、ようで変えてないけど、「俺、城崎大学本当に行くかどうかわかんねぇや」
怜花:「えぇー? 行こうよー」
GM:部屋の中には、他の大学の願書とか転がってたりしないの?
誠二:募集要項じゃないの?
愁也:募集要項で京都芸大とか、名古屋ナントカ大学とか、あと東京の方の……。
GM:東京の方もあるんだ(笑)。
愁也:東京の方も2つか3つある。
誠二:部屋の中に妹入れていいかもかなり怪しい感じがするな。
愁也:それはねえ。
GM:大変なポスターとか?
愁也:ないです。あるとしてもアーティストのポスターですよ。
誠二:よかったね、健全な兄貴で。
笑美子:健全じゃない兄貴をそうそう作るんじゃねぇ!
愁也:あと、本棚には楽譜が並んでるって感じでしょ。「城崎行くかどうか分からねえや」
怜花:「えぇー。行こうよ。一緒の学校通おうよ」うるうるうる。
愁也:「そりゃあさ、一緒の学校へ行きたい気持ちは分かるけど、な」じゃ、こう聞くか。「お前、どうしてそう思うんだ?」
怜花:どういうことだ? よく分からんぞ、今の。一瞬止まろう。
愁也:「あぁ、ごめん。いまの質問、なかったことにしておいて」
GM:それはキャラクター的にだな(笑)。
愁也:?
GM:そこまで含めて、キャラクター発言だな。
愁也:そうですよ。
怜花:「う、うん」何か気まずいなぁ、ってことは分かったから……。
愁也:気まずいなぁって感じだぞ。
怜花:「あ、わたし、そろそろ着替えてくる」
愁也:「そうだな。お前もさっさと勉強始めろよ。追い込みの時期だろ? 俺より少し遅いかもしれんけど」
怜花:少し生意気をしてやろうか。「わたしは大丈夫だよ。お兄ちゃんと違って」と言いながら、部屋に帰っていきましょう。
愁也:じゃあ、ふぅという感じで、ベッドにばたっと倒れる。そんな感じでしばらく時が経つ、ってことでいいんですね?
GM:なるほど、それじゃあ、しばらくすると、「ごはんですよ」と呼ばれて、食事になる。
怜花:お父さんはまだ帰ってきてない。
GM:お父さんは帰ってきてない。お母さんも食べない。
怜花:えっ?
GM:お父さんを待ってるんだ。
愛花:「先に食べなさい」
愁也:そういわれたら、先に食べるか。
怜花:食うしかないね。
愁也:僕はいいお兄ちゃんだから、妹が食べ始めるのを待つか(笑)。よく分からんな、ここら辺の感覚は。
怜花:で、何ですか? 今日の晩ご飯は。
笑美子:(笑)
GM:さ、鯖……
笑美子:肉の味噌煮と鯖じゃが(笑)。
一同:(笑)
誠二:逆だぁ!
愁也:適当でいいよ、適当に。
GM:えーっと、ねぇ。天ぷら。君らの分しか揚げていなくて、向こうに素材のまま置いてある。
怜花:ハーイ。調理判定!
GM:なにが?
怜花:(ダイスロール)いや、ちょっと趣味で。やっぱり、塩味が変わってるってことはありませんか?
一同:(笑)
誠二:塩味が変わっているパターンは2通りあってさぁ。出るところが違うという話で……。
怜花:(笑)
誠二:危険なんだよ。
GM:さすがにそこまではないかな。
怜花:なるほど。
GM:塩味が変わるというのは無茶な話だ。
愁也:じゃあ、ですね。わたしは、怜花が食い終わって出て行くまで待つ。
怜花:どこで待つんですか?
愁也:食堂だよ。ゆっくり食べ終わって、お茶でも飲んでゆっくり待つ。
GM:テレビではアレたちがアレな番組でアレしている。クイズ番組かな?
誠二:ミリオネーア、みたいな(笑)?
怜花:(笑)
愁也:歌番組くらいにしときましょうよ。あまりバラエティーじゃなくて。
誠二:ミリオネアじゃない。ビリオネア(笑)!
笑美子:すげぇ(笑)。賞金いくらや?
怜花:それは間違えたとき、マイナスにもなって行くでしょう?
笑美子:怖い。怖い番組や!
愁也:ま、ゆっくり食ってゆっくりお茶を飲む。
怜花:「あー。おいしぃ」
誠二:みのまんた、とか。
愁也:先に出てけとプレイヤー的には言うぞ。
怜花:分からないですよ。「はぁ、おいし。ごちそうさまでした」
愁也:俺はテレビを見ているようで見てない顔でテレビの方を見ている。考え事をしながら。
怜花:えっと、いま8時9時か。
GM:お母さんは洗濯物でも畳んでようか。
怜花:「お父さん、遅いねぇ」
愁也:「先行って、部屋で勉強してな。待ってても多分来ないよ。最近父さん遅いし」
怜花:「お兄ちゃんもちゃんと勉強しなきゃダメだよ」
愁也:「分かってる」
怜花:むしろお兄ちゃん。
愁也:「俺はもしかしたら、実技で通るところ受けるかもしれんからな」城崎にはあるかな? あそこ、何でもありそうだし。
怜花:総合大学の上を行ってますね。
愁也:で、どうしますか? 先に出る?
怜花:うん。じゃあ、出ようか。
愁也:お兄ちゃんはやたら何か考えている様子だったと。じゃあ、出てってしばらくしてから、「母さん」と。
愛花:「ん?」
愁也:「この前にも言ったかもしれないけどさ、俺、城崎大学、多分受けないわ」
愛花:「どこを受けるの?」
愁也:「このままだと多分、東京か京都かなぁ。名古屋はちょっと無理っぽいし」
愛花:「やっぱり、音楽科に行くってこと?」
愁也:じゃあ、こくっと頷く。
愛花:「でも、ああいうのって難しいんでしょ? 普通の大学も受けておいた方がいいんじゃないの?」
愁也:「まぁ、滑り止めは受けるかもしれないけどね」その時の母さんの表情は? 一応聞いておこう。
GM:城崎には、音楽科はある方がいい、ない方がいい? 君としては。
愁也:あっていいですよ、別に。
GM:難しいなぁ。どういう反応を返して欲しいのかなぁ。
愁也:どうでもいいですよ、わたし。純粋にお母さんの思考形態で考えて下さって、判断して下されば。
GM:いまの彼女が普通に考えたら……。
愛花:「基本的にはあなたの人生だから、好きにすればいいけれど……」
GM:それ以上、穿ったことは言わんだろう。まだ。
愁也:「父さんの方には俺の方からまた直接言っとくよ」
愛花:「そう? あなたから言いたいんなら……」
愁也:「じゃあ」と、最後のお茶をすすって。「俺、勉強に行くわ」と、2階に上がりましょう。それでいいです。
GM:はい。
GM:誠二くん。家で何かしたい?
誠二:いや何も……。うーん。
愁也:お姉さんと面白い掛け合い漫才をしたい?
誠二:いやぁ、してもいいんだけど、自分が動く必要がないと思うから、何もしないけど。
GM:じゃあ、掛け合い漫才があった、と。以上。
笑美子:あったのかい(笑)。
誠二:そのうち何か必要があれば掛け合いはするので、大丈夫ですよ。
GM:じゃあ、そちらが言わなければ、先に回す。ではその日の晩。結構遅くなってから、お父さんが帰ってきます。
愁也:俺も少し遅くまで勉強している、ってことで。
怜花:何時ですか? 遅くって。
愁也:11時?
GM:そんな遅くないよ。10時くらい。10時過ぎくらい。下ではお父さんとお母さんが、2人で話をしているみたいですね。
愁也:普通に話をしているだけならいいか。トイレに下におりるか(笑)。
怜花:じゃあ、わたしは「お父さん、お帰り」と下りていく。
GM:それはどのくらいのタイミングで?
怜花:まぁ、聞こえるでしょう。パタンッて音が。
GM:帰ってくるのは分かるよ。
怜花:じゃあ、その時ですね。
瀬戸満彦(GM):「ああ、ただいま」
愁也:俺は少しタイミング遅れてトイレに下りる。
満彦:「愛花、晩ご飯待ってなくてもいいのに。先に食べてろって言ったじゃないか」
愛花:「あなた一人で、あとから食べさせるのも」
満彦:「気にするなよ。俺は仕事で出てるんだ。それに、出先でそのまま食べてくるかもしれないんだし」
愛花:「それだったらそういう風に、電話一本入れてくれればいいでしょ」
満彦:「場合によっては電話を入れられないときもあるからな。俺の分だけ残しておいてくれればいいよ」
愛花:「でも……」
GM:と言いながら、お母さんは料理を温めている。電子レンジはチンという音を出して、天ぷらは衣がびちびちびちと。
愁也:じゃあ、そろそろ下りてくるか。「お父さん、お帰り」
満彦:「ただいま」
愁也:「最近、毎晩毎晩大変だね」
満彦:「ああ。仕事がちょっといま山場だからな」
愁也:じゃあ、「ごゆっくりー」とわたしは邪魔をしないように行きますけど。では、トイレに行った。
怜花:ちなみに、わたしいますよ、この場。
GM:いるんだね。では、お父さんとお母さんの話がだんだんと、険を含んだものになっていきます。
笑美子:何?
愁也:じゃあ、トイレから出てきた。
怜花:あれ?
愛花:「最近のあなた、冷たいですよ」
笑美子:こ、怖い。
怜花:子供の前でそんな話をするのか。
愛花:「怜花の誕生日の日だって。あの日は休みを取るって言ってたじゃない」
怜花:「い、いいよ、お母さん。お父さんにだって……」
GM:ほぅ、お父さんの方にフォローを入れると。
笑美子:こうなるとそうなるでしょう。
愛花:「あの日だけだったらそうだけど。今日だって昨日だって……」
愁也:戸口の外で聞いてる。
GM:外で聞いてるのね。では、お父さんが。
満彦:「怜花もいるんだ。そういうのはまたにしないか」
愛花:「でも! また、またって。いつもそうじゃない、あなたは」
満彦:「俺は疲れて帰ってきてるんだ!」(机を叩く)
愁也:じゃあ、それはさすがにガチャっと入って……。
怜花:おろおろしてましょう。
愁也:「あんまりかっかしないで、父さん。疲れてるのは分かるけど。母さんの方も、父さんだって忙しいんだしさ。そんな、あんまり言わなくたっていいじゃん。父さんの方も、母さんが待っていてくれるんだし、電話の一本でも入れてくれなきゃ。俺だって怜花だって心配してるんだよ、父さんが毎日遅く帰ってくるのを」
満彦:「お前も男なら分かるだろう。仕事中にそうそう簡単に、電話一本が出来ると思うか?」
笑美子:分からんよ。
愁也:「だったら忙しくなる前に、電話頂戴よ」
満彦:「それはいつも言ってるじゃないか。遅くなるって、毎日。だから待ってなくていいよ、って言ってるじゃないか。それを言ってて、言ったとおり遅くなってるのに、毎日遅い毎日遅いって、文句言われる俺の身にもなってみろ」
GM:(怜花に)知識、調理の判定。
怜花:知識、調理? 知識って幾らあるんだろう……。
笑美子:知識っていうか、知力ですね。
怜花:(ダイスロール)6ゾロ。
GM:天ぷら、そろそろやばいんじゃないか?
愁也:(笑)
誠二:火事ぃー。
怜花:なるほど。「お母さん、天ぷら、天ぷら」
GM:声をかけるわけね。じゃあ、お母さんははっとなってそちらの方へ走っていく。
愁也:ではさすがにそれで話は途切れただろう。
GM:じゃあ、お父さんはお酒を……。ウイスキーだな。ウイスキーをロックで。
愁也:じゃあ、氷を持ってきてあげよう。
怜花:じゃあ、わたしはお母さんのフォローにでも行きましょうか。手伝いに。
GM:天ぷら天ぷら。
怜花:びちゃびちゃだねぇ。
愁也:じゃあ、わたしは父さんと気まずい顔で向かい合ってる。
GM:折角だからそこで、天ぷらを揚げながら。
愛花:ハァ(嘆息)。「昔のままじゃ、いられないのかしら」
怜花:答えを求めてるのかなぁ、それは。
GM:あなたに言っているわけではない。
愁也:独り言。
怜花:じゃあ、聞かなかったフリ。心に留めておく、ということで。
誠二:(変な顔をしている)
笑美子:何、その顔?
誠二:わたしはいま、悟りの書を開きました。
一同:(笑)
誠二:なるほど、そういうことか。理解理解。
GM:何が理解できたんだろう?
誠二:なるほどぉ。そりゃ、民法いらんなぁ。
笑美子:何っ?
怜花:あぁー。分かった分かった。
愁也:我々は多分、つながったことを前提に話しているけど、ここ(誠二)は多分、つながってないから。
怜花:それがつながったってことですよ。
GM:今ので何で繋がるんだ?
愁也:分かんないです。
怜花:分かんない。
GM:まぁ、そのあとは、二人の間には気まずい沈黙の中で、テレビの、もう遅くなった……。
愁也:ニュースイレブンか何か。
GM:久米宏かな?
愁也:なるほど。ニュースステーションで。
GM:久米均ってことで。ニュースターミナルで。
愁也:わたしもお茶でも飲みながら、付き合いましょう。
GM:それは、自分の存在によって、またヤバイ話にならないように威圧するってことですか?
愁也:はい。
GM:じゃあ、威圧判定。
愁也:そんな(笑)!
怜花:じゃあ、わたしも協力している、ということで。どうなるのかな?
愁也:(ダイスロール)ピンゾロ……。
笑美子:全然威圧できてない。逆効果ですね。
愁也:ヤバイ! 俺の存在によってやばいことが……。
GM:どうやって起こすんだ? 大変な目を振るなよ。
怜花:振り直しという……。
愁也:じゃあ、俺がヤバイ話題を振らないといかんのか。じゃあ、さっきと同じ話を振るか。親父に向けて。「俺、もしかしたら城崎大学行かないかもしれないんだけど」って話を親父に振ろう。
怜花:それ、わたしの前で?
愁也:うん。ピンゾロ振ってしまったし。
怜花:「えーっ! お兄ちゃん……」
満彦:「じゃあ、どこへ行くんだ?」
愁也:「多分、この調子だと東京か京都か、その辺かなぁ」
GM:待てよ、君へのあれ(満彦の感情強度)は、こうか……。
愁也:「そこら辺の音大になると思うけど」
満彦:「そんなこと、まだ本気で考えているのか?」
愁也:(笑)
誠二:なるほど、理解した。
怜花:そういう感じだったんだ。
愁也:「じゃあ、父さんはどうしろって言いたいの?」
満彦:「夢に、挑戦する分には構わんが。普通の大学も受けるんだろ?」
愁也:「そりゃあ、受けはするけど。でもそっちが通ったら、俺はそっちへ行くし」
満彦:「音大は、1ヶ所だけだな」
愛花:「あなた! 愁也も頑張ってるんですから、夢を、応援してあげましょうよ」
満彦:「こういう無謀なことを止めてやるのも、親のつとめなんだ」
愁也:じゃあ、下を向く。
愛花:「でも……」
愁也:「分かった、考えとく……」
満彦:「よく考えろ」
愁也:気まずくなっちゃった。こんなくらいですか?
GM:父さんは理解がなかったらしい。
怜花:なるほど。言った場所も悪かった。
GM:お母さんの方が理解があったらしい。大変だ。
怜花:怒ってるしな、お父さん。
GM:そんな感じでその日は終わろう。
怜花:次の日?
誠二:平和な家庭ってうちくらいだね。姉貴を除けば。
怜花:(笑)
愁也:平和の象徴じゃないか。あんなの。
笑美子:平和だねぇ。
愁也:平和じゃなけりゃ、あんなのいるわけねぇよ。
誠二:日本が平和な象徴であって、家庭が平和な象徴ではないので。
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