「妹の日」記念シナリオ リプレイ

 

 第17幕 告別式の別れ

 

GM:じゃあ、告別式の方行きます。笑美子のクラスの担任の先生を登場させよう。

今井笑美子:つまり、彼(誠二)の担任でもあるわけですね。

木村誠二:何人かクラスメイトは来ていますか?

瀬戸怜花:当然来るでしょ。

GM:(笑美子に)連絡した?

笑美子:担任にはするでしょうから。そこから……。どうなんだろう?

誠二:親しい仲の子とかは来るでしょう。パーティー仲間とか。

怜花:なっちゃん。

GM:なっちゃんは来る、と。

笑美子:一番の友達は奈津美のようですね。

怜花:学級委員は?

GM:学級委員が来るのは葬式ですね。で、教師ね。岡島慎一郎先生。

岡島慎一郎(GM):「今井、大丈夫か?」

笑美子:「は、はい」

岡島:「ま……。気を落とすなよ」

笑美子:「はい」

GM:で、記帳に向かう。あと、坂本奈津美さんなんかも来てる。……笑美子って呼んでいいのかな?

笑美子:笑美。

怜花:えっちゃんの可能性も。

笑美子:まぁ、こっちが奈津って呼んでるから。「あ、奈津。ゴメンね。これじゃあ、多分、あたしクリスマスパーティーには出られないわ」

坂本奈津美(GM):「そ、そんなこと今更、どうでもいいじゃない。そんなこと言わないよ。それより、気を落とさないでね」

GM:何も言ってやれないって感じだな。

笑美子:「ゴメンね。約束してたのにね」そうして、親族の方と色々挨拶している。

GM:式のあとにするか、なぁ……。今晩のうちに話をするか……。源治、心の声。

誠二:(笑)

GM:今晩だな、話をするのは。告別式が終わった頃だ。そんな時間。まぁ、夕方くらい。

瀬戸愁也:マスター、いま俺、いくら残ってます?

GM:ここのところの君の放漫財政を考えると……。

愁也:じゃあいいです。分かりました。

GM:新渡戸さんはキツイと言っておこう。

笑美子:新渡戸さん……。

誠二:2人力を合わせて、という手が!

怜花:ありますね。

愁也:お!

誠二:以心伝心パワーで。

怜花:クラスでも出すでしょ?

誠二:それくらいは大丈夫。

GM:一人あたりの額は多寡がしれてるよ。40人学級で2万円だそうとしたら、1人500円ですからね。

誠二:2人の力を合わせて、GO!

愁也:さてどうしよう。

GM:では、ご記帳はこちらに。

愁也:では自分の名前を書きましょう。

GM:ご香典はどうするんだ?

愁也:親父のを出しますよ。

GM:君の名前で、親父のを出すわけだ。

愁也:下手に親父の名前出すよりいいでしょ。

GM:さて、問題はここに立ってたのが誰か、だな。

笑美子:誰なんでしょうねー。

GM:これは幸運判定にしよう。

愁也:全く。俺の幸運がないことを知ってて……。

怜花:社交性でもいいんじゃないんですか?

GM:いや、ここは幸運でしょ。

誠二:社交性、一度も使わず。

愁也:(ダイスロール)6だ。

GM:6か。じゃあ、そうだね。向こうの親戚さんの1人で、記帳の名前を見てふっと分かって、「笑美子ちゃんのお兄さんかね?」。

愁也:「はい」

誠二:一番痛いところだな。

GM:「こりゃどーも」と、素っ気ない感じ。あの婆さんよりはましかな。いや、あの婆さんは実はそんなに悪くないかも。親父に対してはともかく、愁也には同情的かも。

愁也:えっと、俺が知ってる今井側の親戚って誰がいますか?

誠二:お婆さんくらいしかいないんじゃない?

GM:お婆さんは知ってる。あとは、源治さんまでは、知ってるかな。

笑美子:源治さんは知ってそうだな。

GM:源治さんは顔役だし、知ってるでしょう。

笑美子:でもそこまで。

GM:くらいと言うことにしておこうか。他にも何人か知っているが、とりあえずお婆さんと源治さん。お婆さんは名前は不明だ。

愁也:お婆ちゃんでいいですよ、私にとってはおばあちゃんですから。

GM:今井うめ。

誠二:ベタなところだ。

怜花:カタカナですね。

笑美子:ひらがなじゃないの?

GM:そうか……。分かった、ひらがなにしよう。

怜花:どうでもいいですけどね。

GM:カタカナにするかひらがなにするか漢字にするか、すごく悩んでたからな。

笑美子:全然悩んでません。

GM:告別式は、和尚様が来て読経してくれて、その間に一回、焼香するって感じですかね。

愁也:では、2人分頑張って(手を合わせる)。

GM:じゃあ、念仏技能の判定を。

愁也:(笑)ピアノではダメ?

笑美子:芸術なの? あ、歌唱は。

GM:読経ではないからね。念仏念仏。

怜花:礼儀作法じゃないんですか?

愁也:「思いやり」……。まぁいいや。

GM:礼儀作法かな。

誠二:礼儀作法なのか?

愁也:BPBP。パパの分、ってコトで1点使いました。

怜花:ここで失敗したら大笑いですね。

笑美子:笑えないよ。

愁也:そういうときのために、特殊BPが3点残ってるんだ。(ダイスロール)……12足す4だから、16だ。

GM:エクセレント。

愁也:やったー。

GM:笑美子が喪主かな、一応。

笑美子:ですかね。

GM:いや、うめ婆さんだな。笑美子は喪主に準じる位置ってところかな。喪主がすべき色々なことが出来ないからね。一番上座に座ってる。で、式の方は滞りなく終わります。

愁也:じゃあ、とりあえず中に残ってるのは失礼なので、笑美子でもいいし、源五郎さんでもうめさんでも……。

笑美子:源治さん。

愁也:源治さんでもいいや。そのあたりをつかまえる。笑美子と話したいだけですけど。

GM:じゃあ、源治さんにしようか。

愁也:源治さんイヤだ(笑)。

笑美子:ちょっと苦手に感じてる。

GM:じゃあ、うめ婆さんでいいよ。

怜花:これこそ社交性ですか?

GM:社交性かな。そうだな。

愁也:これで目が悪かったら源治さんで我慢するか。

笑美子:我慢……。

愁也:(ダイスロール)8か。

GM:じゃあ、源治さんに会ってもらおう。

愁也:ハァ。

GM:うめさんは忙しいからね、喪主だし。源治さんは色々動き回ってるから、目が合った、ということで。

愁也:「すみません」

今井源治(GM):「あ? あんたは……」

愁也:「お久しぶりです。愁也です」

源治:「愁也……。あぁ」

愁也:「9年もご無沙汰してましたから、覚えていらっしゃらないかもしれませんけれど」

源治:「幸香の息子か」

愁也:「ご無沙汰いたしてました」と、深々と頭を下げる。

源治:「幸香が死んで、やっと顔を合わせに来たって?」

愁也:「申し訳ありません」

源治:「ふん。あんた、あの男についていったんだろ?」

愁也:「はい」

源治:「式は終わったから。さっさと帰ってくれ」

愁也:「すみません、少しだけ笑美子と話をさせてもらえませんか」

源治:「笑美子と会って何を話すつもりだ? いまさら話すコトなんて、何もないだろう?」

愁也:「兄として、笑美子に言ってやりたいことがあって」

源治:「9年間放っておくだけ放っておいて、いまさら『兄として』もないだろう」

愁也:「だからそのために……。だから、そのことを最低でも伝えたいんです」

誠二:こうなっちゃったか……。

愁也:「父はあなたの仰ったように9年間放っておいたことの罪滅ぼし、と言っていいか分かりませんけれど、ここに顔を出すべきではないと思って、今日は欠席しました」

GM:鼻で笑う。

愁也:「おねがいします」といって、もう一回頭を下げる。

源治:「ついてきなさい」

GM:誠二はどこにいるんだ?

誠二:その後ろで見守っていたと言うことにしておこう。

GM:では、その間に笑美子の方。あなたのところに、うめ婆さんが現れます。

今井うめ(GM):「今日は1日お疲れさま」

笑美子:「おばあちゃんこそ、お疲れさま」

うめ:「この歳になると辛いね」

GM:正座するのが辛いので、尻の下に小さな椅子みたいなのを置くという、それくらいの歳。

うめ:「笑美子ちゃんね。まぁ、こんな日にいうのもなんだけど、お母さんもあんな風になっちゃったし、こっちで1人で暮らすわけにもいかんでしょ。山形の方は、空気もおいしいし、緑もあって、元気になれると思う。気分も変わるんじゃないかな?」

笑美子:「そうですね」

GM:という話をしているところに、トントンと音がします。

愁也:決着が付く前に来るわけですね。分かりました。

源治:「婆さん、ちょっと入るよ」

愁也:じゃあ、「お久しぶりです、お祖母さん。愁也です」

うめ:「愁也。愁也かい。幸香の息子だね。笑美子のお兄ちゃんだね」

愁也:「はい。9年間、ご無沙汰してました。誠に申し訳ありません」

うめ:「まぁまぁまぁ。あの男と一緒におったんじゃぁ、挨拶にも来れなかっただろう。お母さんも死んじゃって……。もう、ご焼香は済ませてきたか?」

愁也:「はい」

うめ:「あの男がおらなんだらなぁ。あの男があんな馬鹿なことをせなんだら、お前たちが離ればなれにならないでもすんだのに」

笑美子:「おばあさん」

うめ:「あぁ、すまんすまん」

愁也:「すみません」

うめ:「いや、お前が謝ることはない」

愁也:「あの……」

うめ:「どうした? ……あ、笑美子に話か?」

愁也:「すみません」

うめ:「私がおると話にくいんだな」

愁也:「そういうことではないんですけど」

笑美子:うーん……。

愁也:そう言いつつもやっぱり、という感じだな。

笑美子:「ごめんなさい、お祖母さん」

うめ:「そうだね」

GM:じゃあ、腰を曲げた状態でゆっくり退場。笑美子:木村君来てるの?

誠二:ここまではさすがに。

笑美子:分かった。

怜花:友達と一緒にいるって感じなんじゃないですか。

誠二:外にいるよ。

怜花:誰でしたっけ?

誠二:坂本さんだろ。

笑美子:「お兄ちゃん、1人?」

愁也:「ホントは、父さんも来たかったんだよ。母さんの話をしたら、一目会いたかったとは言ってたけど。ただ、いまさら、顔出すわけにもいかないって思ったみたいだし」

笑美子:「そう……」

愁也:「顔出すとまた、迷惑になっちゃうからだろうよ」

笑美子:「そうね」

愁也:「だから俺だけ来させてもらった」

笑美子:「そっか。来ちゃったのか」

愁也:「あのさぁ」、少し気まずそうに。「笑美子これから、どう、するんだ?」

笑美子:「そうね。多分、山形の方に行くことになるんだと思う」

愁也:「そうか。母さんの実家の方に帰るのか」

笑美子:「やっぱり心配?」

愁也:「そりゃ心配だよ」

両者:(沈黙)

笑美子:困ったなぁ、って感じだね。「ありがとう、だけど……。いまは、大丈夫とはさすがに言えないかもしれないけれど、きっといつかは……」なんて言うのかな? 言葉を探している状態だね、キャラクターも。「だから、もう私のことは気にしなくていいんだよ。私だっていつまでも、昔のような子供のままじゃないんだから」

愁也:「そりゃそうだけど。……確かにお前はもう子供じゃないだろうけど。俺とお前は兄妹だっていう事実だけは、いつまで経っても変わらないだろ?」

笑美子:「そういうの、もうやめにしようよ。お兄ちゃん、いまの家族がいるんでしょ?」と、辛そうですね。

愁也:それは……、辛そうに頷いてる。

笑美子:「その人たち、大切にしてあげなよ、私じゃなくて。だから……」そうだ、マスターマスター。

GM:ん?

笑美子:いまポケットに、一番上のKey Itemを入れてていい?

GM:OKOK。

愁也:しばらくそっちの話を聞いている。

笑美子:「このキーホルダー」と、ポケットからキーホルダーを取り出す。

愁也:あのキーホルダーでいいのか?

GM:ご想像通りです。……ところで笑美子君。自分の感情の数値を変えないか、ラストの演出のために。

笑美子:そうねー。うーん、でもきわどい。

GM:きわどい? もうちょっと待つ?

笑美子:いや、そういう意味じゃない。今のところこうするべきかな。2番目(兄への追憶)を……。下げたくない。ただ、「兄との訣別の決意」を2点あげます(2→4)。

GM:1シーンで3点まで上げられるからね。2+1で3点まで。その意味でも、この時点で一度上げておくことは重要だ。さ、続けて。

笑美子:「これ、覚えてるかな?」

愁也:「覚えてるよ」カバンをしょってきている、でいいですか?

GM:OKだよ。

愁也:ではカバンをおろしてですね、カバンのチャックのところについている。

GM:いま背中に背負っているのは非常識だな。手に提げているんだろう。

愁也:「いつも下げてるよ」

笑美子:「そうだったんだ。……はい」と、そのキーホルダーを。「もう、これ返す。返すってのも変だけど。……あげる」

愁也:「受け取れないよ」

笑美子:「どうして?」

愁也:「じゃあそれって、どういう意味で渡してるんだ? それを渡すってのがどういう意味だって思ってるんだ?」

笑美子:「お兄ちゃんはどういう意味だって思ってるの?」だんだん声が。

愁也:「俺は確かに、お前が山形に、母さんの実家に戻るのは、残念だけど止められないし、それについていくこともできない」

笑美子:「だったら……」

愁也:「けれどもさぁ。それだからって、俺が何もできないとでも思ってるのか?」

笑美子:(半ば涙声で)「だけど……。やっぱり、わたしは、いつまでもお兄ちゃんにとって妹なのね。私って……」

愁也:「もし、お前が俺のことを兄だと思うのが辛くなるんだったら、忘れてもらってもいい。でも、俺にとってはお前はいつまでも妹だ」

笑美子:(涙声で)「忘れられない。忘れるコトなんてないよ、ずっと忘れられないよ! ずっと優しかったお兄ちゃん。そしていまでも優しくしてくれるお兄ちゃんのこと、忘れることなんて出来ないよ。だけど、そうやってずっとずっと私のことを心配しているお兄ちゃんだから、私はやっぱり辛いよ」

愁也:「お前さぁ、家族って何だと思ってるんだ? 迷惑かけられてこその家族なんじゃないのか? 迷惑かけられてこその兄妹だろ?」

笑美子:(しゃくり上げながら)「だから、そんなこと言われたら、山形に行けなくなっちゃうじゃない。ヤダよ。ずっと決めてたのに。折角、一旦、心の整理決めてたのに。これじゃあ、またぐちゃぐちゃになっちゃうよ。お兄ちゃんならそう言うだろうと思ってたし、どこかで期待もしてた。だけど、これは、そういう私の心の整理なの。受け取って」

愁也:「本当に、そうなのか?」

笑美子:(無言で頷く)

愁也:「お前、これを手放しちゃっていいのか? 俺が受け取っちゃっていいのか?」

笑美子:「大丈夫。思い出は、これだけじゃない。お兄ちゃんのこと、忘れるつもりも全くない。逆に、そういう、私からの約束の印だと思って」

愁也:(長嘆息)「じゃあ、分かった」と、手を出しましょう。「確かに受け取ったぞ」、と自分のカバンの、同じ穴に2つ並べてかけましょう。

怜花:なんか終わりっぽいな。

愁也:「じゃあ、山形に行っても元気でな」

笑美子:「お兄ちゃんこそ、元気でね」

愁也:じゃあ、部屋を出て行きます。けれども、最後にうめさんに、「笑美子はうめお婆さんの家に預けられるんですよね」と確認だけはしておきましょう。

GM:そうです。

愁也:お婆さんの家の住所くらいは分かりますよね?

GM:それは分かりますよ。

愁也:じゃあ、うめ婆さんには、「俺も父さんも何もできませんけど、笑美子をよろしくお願いします」と、深々と1分くらい頭を下げ続けます。

うめ:「あの男はともかく、あんたはそんなコトしなくていいんだよ」

笑美子:(笑)うめ婆さん楽しいな。

GM:うめ婆さんが嫌いなのはあの男だけですから。名前すら呼ばない「あの男」。

怜花:そして多分、間接的に私も嫌われている。

GM:たぶんね。

笑美子:かもね。

 

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