・ スタジオポノック第一回長編作品。元スタジオジブリで『狩りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』の監督だった米林宏昌監督。原作は1971年に発表された英国児童文学『小さな魔法のほうき(The Little Broomstick)』(メアリー・スチュアート)。
・ 『狩りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』よりも本作の方が宮崎駿の少女と空っぽい作品になっているのがなんか面白い。
・ 「私、今夜だけは魔女なんだ」という台詞が印象的な予告編だが、本編を観てから見直すと割と詐欺予告のような気がする。
・ 単純に赤毛の少女・メアリ(杉咲花)を主人公としてみるとあまり爽快感が得られない作品だったりする。『狩りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』もそういうところあるから米林宏昌監督がそういう芸風なのかもしれないけど。
・ その代わり、メアリが出会う少年・ピーター(神木隆之介)が本当にただの少年でありながら、あの『天空の城ラピュタ』のパズーをも超えるレベルの胆力の持ち主だった。なんなんだこいつ。
・ メアリが魔女の花≪夜間飛行≫に対して最後にする決断についてあちこちの感想で色々な意見が書かれていたけど、メアリ=米林宏昌監督説とかそんなことはどうでもよくて、家に帰るまでが遠足なんだからあの決断は家に帰ってから、せめてほうきから降りてからするべきだったのではという意見の人が自分以外に見当たらなかったのがとても意外。
・ 車が擬人化した、というか車(や飛行機)以外の生物が存在しない世界。
ピストン・カップでルーキーでありながらチャンピオンを狙うレーサー(=赤いレーシングカー)、ライトニング・マックイーン。
才能はあるが身勝手な性格だった彼がルート66の田舎町ラジエーター・スプリングスに迷い込んでしまい、レッカー車のメーター達と出会うことで……という物語。
・ 「強いだけではつまらん くだらんぞ」(寂海王『バキ』板垣恵介/秋田書店)という台詞を思い出した。
・ レースの最後のライトニング・マックイーンの行動はゴールしてからすればいいのにとずっと思っていたのだけど、それだと「レース中につついてる」のではなくて「レース後に手助けしている」ことになってしまうからダメなのだと言われて初めて気がついた。
・ メーターのミッション・インポッシブル、もとい、『カーズ2(Cars 2)』(2011年)と『カーズ/クロスロード(Cars 3)』(2017年)あり。
余談だけど後者の感想で見かけた↓がタイトルから内容まで大好き。
●Walking Pictures●
●【感想】「カーズ/クロスロード」は宮崎駿に1000回見せたい傑作映画だったぞ●
参考資料
●★2006年★●