キャプテン・ラヴ再発売記念 セカンドプレイレポート

 

 キャプテン・ラヴがこの度、再発売されました。この伝の筆頭管理人である甲斐高風先生も、今回は購入され、レビューを書かれています。セカンドプレイも終了しましたので、レポートの不備を補ってみました。

 

第一話  愛の接近遭遇

 2度目のプレイなので、ここは軽く流すことにします。ただし、折角だから1回目とは違う選択肢を敢えて選んでみました。その結果、キャプテン・ラヴが分岐の極めて少ないタイプのADVであることが分かりました。どの選択肢を選ぶかが重大な変化を及ぼすと考えて真剣に選んでいる側にしては拍子抜けではありますが(本気でそんなことを考えているのは小生があまりに純朴なためですが)、初回のプレイで深刻に悩んだからそこはヨシとします。

 実は、この1話と2話とは、京都地区での布教を兼ねて友人たちの前で幾度となくプレイしたので、ほとんど全ての選択肢を試しました。ネット上で「ラブラブ党エンド(=ゲームオーバー)」の情報を得ていたので、それも試してみました。この辺は終盤の泥沼・修羅場と比べると極めてノリが軽いので、気楽にプレイできます。初回のプレイでは冷や冷やモノだった「ゴキブリ」とかも、全体の流れを覚えていれば恐くはありませんね。

 じっくり色々な選択肢を選んで、ウィットに富んだ会話を満喫しました。ま、まだまだ助走ですからね。

 そういえば、しばらく置いてあったためか、プレイ再開当初は愛美=エンクミの声がやっぱり耳に馴染みませんでした。すぐ馴れましたけどね。

 

第二話  愛のクリパン繁盛記

 キャプテン・ラヴの基本構図を提示するには一番分かり易いと思われるのがこの第2話ですね。実際、2話のプレイは布教活動で大きな成果を収めました。その結果、友人たちとの間では130円のクリームパンを2個買うのが「礼儀」になりました。イヤ、実際には安物で我慢しますけどね(笑)。

 今回のプレイの目的の1つは、各シナリオのサブヒロインに「落ちる」ことだったので、のどかちゃんサイドにシフトしてプレイしてみます。が。これがなかなか難しい。

 態度を鮮明にするタイミングを遅く取りすぎると、のどかちゃんには転べないようですね。しかし、「付き合ってる人がいる」と言われたあとアタックしてきてるんだから、もう少し頑張ってくれても良さそうなモノ……。

 1度愛美サイドでプレイし終わって、もう1度やり直し。今度は何とかのどかに転びますが……。うーん。のどかちゃんを選んだ後、どんな話だったかあんまり覚えていない(笑)。仕方ないといえば仕方ないんですけどね。愛美エンドは4回くらいやってるわけで。またやり直さないといけませんね。

 しかし、何よりも恐かったのは愛美を振るときの選択肢! どっちが好きかと聞かれれば、「ゴメン、君よりも彼女の、のどかちゃんのことが好きになってしまったんだ」とか何とか言えるものを。あの聞き方は卑怯ですよ(笑)。罪悪感で胸一杯で、「無言で応えない(タイムアウト)」を選んでしまいました。ッそうしたら、「何で黙ってるの? ねぇ、答えてよ!」って。答えられないから悩んでるんだって! さらに無言を通したところ、やっぱり愛美エンドへ……。イヤ、ここはバッドエンドにしとくところじゃないですか? メインヒロインとしての愛美に蟻地獄のように引きずり込まれるシナリオ構造が見えてきました。ちょっとやり過ぎかな?

 そこのところをさらにやり直して、何とかのどかエンディングに漕ぎ着けましたが、これだけ苦労した割には感動が今ひとつ。……。いいんですけどね。

 

第三話  愛のギター・オン・ファイヤー

 隠しシナリオです。初回プレイでは出来なかっただけに、期待大。でも、かなりプレイしづらかった。

 プレイしにくかったのは、主人公の動機が読みとれなかったせい。初回プレイで経験した2話、4話、6話、8話はいずれも、巻き込まれ型のストーリー。状況が主人公をどうしようもない形に巻き込んでいって、主人公はその中で最善の道を探るわけです。このタイプだと素直に悩みつつ選択肢を選べるのですが、3話は杉江のプランでカミィにこちらから声をかけるという話ですから、主人公と心を同調させるのが何とも難しかった。何のためにカミィをわざわざ巻き込まないといけないのかが分かりませんでした。

 しかし、小生がキャプテン・ラヴを勧めていたR−WOOD氏に大変有意義な示唆をいただきました。彼によると、カミィの心の殻を割ってやろうという、あるいは彼女が自分で割ろうとするのに力を貸すという、それが主人公の姿勢ではないかとのことです。なるほど、主人公はもともと全ての人に愛を注ぐラブラブ党員。ラブラブ党の積極的意味合いを評価する小生の観点からいえば、「個人的恋愛関係にこもりきらずに、自分の手の届く範囲にいる人々を出来る限り幸せにしようという姿勢」を持っているわけです。

 さて、中盤以降の「豹変後」のカミィは何とも健気な女性です。確かに心を惹かれました。

 ただ「あなたが好き。私だけを見て」というだけの身勝手さでは、却って心が離れるばかり。といって、物わかりよく「彼女のところに行ってあげて」と言われれば、心の負担がかなり軽くなって、楽に「ゴメン」と言えてしまいます。でも、ギリギリまで、最後の最後まで理解を示しながらの、「待って」は効きました。この一言と振動は、小生の心にビリビリと響きました。

 その結果……、落ちませんでした。

 理由は2つ。この話では、愛美がすごく可愛いんです。嫉妬深いところを見せないし、主人公のために(本人は否定しますが、むしろそれが恋人同士の健全な会話でしょう)必死になってくれます。恋人がいる状態で他の相手に乗り換えるには、その新しい相手がいまの恋人以上に魅力的であることも重要ですが、いまの恋人との関係が悪化していないといけない(?)でしょう。しかし、3話では愛美との関係は良好なのです。

 もう一つの理由は、例の「待って」の後のカミィのセリフに音声がなかったことです。ここのセリフに声が当てられていて、小生の「自動音声再現機構」の予測を超える演技を見せて(聞かせて)くれたならば、落ちる可能性は十分にありました。

 ま、小生の場合どこまでも、愛美がかなり「タイプ」なせいでもあるんですけどね。

 3話で小生が一番気に入らなかったところは、バンド対決で負けた方が素顔を見せるという提案に対するレスポンス。瞬間、「愛美が素顔を明かさないといけなくなる!」と考えてOKと言えなかったのに、表示されたテキストは「俺の正体がばれちまう」という内容。ここだけはシナリオライターに心底怒りを感じましたね。

 

第四話  愛と青春のラヴラヴショー

 冒頭、元気になっているカミィを見て、R−WOOD氏の言葉を再確認。つい口元がほころびます。

 R−WOOD氏に5話をプレイするように急かされていたので、4話はかなり駆け足で一気にプレイしました。一応、静果さんに転べるように「状況引きずられレベル」を上げてみたのですが……、無理でした。

 出陣直前の電話で静果さんに対して「愛美、だよな?」と声を掛けてしまって、大後悔。瞬間、4話をプレイする時のスタンスが見えたような気がしましたが、後の祭り。ちなみに、そのスタンスがどういうモノだったのかもすでに忘れていたりして(笑)。

 なお、ネット上の情報で「キャット・ザ・ティーチャーには一番上の選択肢だけで勝てる!」とのことなので試してみて……、気まずくもイケナイ気分に(爆)。

 

第五話  愛は花火とともに咲け

 番長様とR−WOOD氏から絶賛された(?)泉姉妹を相手にしたストーリーですが……。無理! 駄目、無茶! この話でどうやって愛美を振れって言うんですか。もぉ、可愛すぎ! こんなにいい子をフルなんて出来ませんよ。

 弁当箱の件で愛美が深く追及せず、「じゃあ、ちゃんと洗って返さないとね」と言ってくれた時点から、すでに勝負は見えていました。その上に、浴衣、手料理、三つ指、膝枕。ここまでされて、どうして別れられますか!

 なんか、隠しシナリオの愛美って、すごく素直でいい子ですよねぇ。小生もこんな彼女(か嫁さん)が欲しいなぁ(遠い目)。

 R−WOOD氏は初回のプレイで全ての隠しシナリオをやってしまったようですが、2話、4話の不機嫌な愛美しか見ていない場合と、可愛い愛美を見ている場合とでは、終盤の苦しさが段違いなんだろうな、などと考えてみたりしました。

 

第六話  愛と哀しみのラプソディ

 しばらく足踏みしていましたが、ようやくプレイしました。この回の修羅場っぷりが恐くて二の足を踏んでいる間に、卒業・就職と個人的に多忙な時期に入ってしまって……。でも、思い切ってプレイしてみると、案外素直に出来ました。やっぱり、流れが分かってると「楽」ですね。繰り返しプレイするゲームではないのかも。

 香織の方に心惹かれていく展開に持っていく気にはなれませんでした。そんな精神力はさすがになく(弱気)。でも、CGコンプリートを目指すなら(シナリオ展開も見ておきたいし)、いつか通らねばならない道なんですよね。キャプラヴはセーブデータ単位でシナリオのクリアデータを管理しているため、各話をサブヒロインで終了したあと愛美サイドでプレイし直す必要があるのがかなり面倒ですね。

 

第七話  愛のサプライズド・アタック

 ヤオイに弱い某氏はこのストーリーに大苦戦されたそうですが、小生は嫌いではあっても拒否反応までは起こさないので(実物は別)、一貫して「一歩距離を置いて」プレイできました。そういえば、レビューの類を読むと、女性プレイヤーの多くがこのシナリオで落ちてるみたいですねぇ。

 某氏はファーストプレイでこのストーリーを経ていたから、八話の愛美の不機嫌にも愛を信じることが出来たと言ってましたが、小生にはそうは感じられませんでした。すでに一度プレイが終わっていますから、忍さんの発言などからこの時点での愛美の心情が十分理解できているためなんでしょうけどね。

 悪夢には確かに精神ダメージを受けました。でも、本当にダメージを受けるのは、悪夢のような幻ではなく、実際に居酒屋の泉姉妹の関係がぎこちなくなってることですね。やはり、「愛の共産化」は正しいのでしょうか?

 最後に嘉藤先輩を置いて部屋を出るところで、なんだか三話に似た趣向が(笑)。しかも、カミィの時に「『待って』のあとの部分に声があったら落ちてたかも」とか言ってたら、こっちはフル音声で(笑)。でもねぇ、二回目じゃあインパクトは薄れてますからね。それに、「男」である時点でかなり歯止めがかかってしまいますから。結構楽に振り切れました。

 一つ難点を言わせてもらえば、振り切って去るところで、主人公と先輩の間のやりとりが表示されないのはいただけませんね。ここで心の傷をもう一つ、増やして欲しかったです。でも、恨み言を言えば嘉藤先輩のキャラが崩れるし、理解を示してくれたら、芹沢との論撃が楽になるし……。難しいですか?

 そうそう、しばらくブランクがあったせいか、論撃に負けまくりました。ラブ・セイバーズ磯田に3回、芹沢嘉門に1回敗北。シナリオモードでこんなに負けるなんて……。キャプテン失格ですね。

 

第八話  愛のラスト・チェンジ

 レジェンドマン=加賀谷忍を論撃モードに登録するためには、イヤでも無理矢理にでもこのシナリオを忍さんエンドに持っていかなくてはならないらしいですね。で、やってみようかな、と思いました。愛美とすれ違い続けて決定的に喧嘩して、忍さんに惹かれていく、というルートを描いてみました、が……。、無理! あと一歩と言うところで、幸長さんが訪ねてきて「彼女は君でないと駄目だと言うんだ」だって(笑)。ライバルを勇気づけてどうするんでしょうね。

 そこまでの選択肢などで忍さんを選ぶこともしてこなかったし、今回は諦めようかな、と進めていったところ、大きな落とし穴が! 変身するのに大失敗! 遊園地のアトラクの場面で、ボタン操作を誤って「変身しない(忍)」を選んでしまいました。こうなると、忍さんと論撃するしかないのですが……。論旨が! 論旨が分からない! 忍さんを選ぶ心の準備が出来ていないから、なんて論撃(口説き)すればいいのか……。

 1回敗北しながらも、何とか忍さんを下すことは出来ました。が、落とし穴はもう一つあったのです。

 好感度が足らなかったせいか、論撃後の選択肢(忍「なぜ私を選んだのですか?」)を誤ったせいか、忍さんにも「さようなら」を言われてしまい、バッドエンド。つまり、やり直し(笑)。

 2回目のプレイで無理矢理に忍さんを選びました。選択肢の位置・内容やテキストは愛美エンドを目指して組まれているため、やりにくいやりにくい。ちょっと好意を示すと、「勢いだけの男の子には興味がない」とかかわされますし。ところで忍さんの目論見というのはどのあたりにあったのでしょう? 主人公のラヴをたくましく鍛え上げるにしては、最後の刺客としてはやり口が下手ですから。本気で誘惑しようとすればもっと出来るはずでしょう? とすると、むしろターゲットは愛美なんでしょうか? 愛美に「変身」などという表面上のことではない、奥底からの主人公への信頼を確信させるための演技ですかね。でも、それなら近藤香織のところに行くのがよく分からないですし……。主人公が変にぶれないように、香織にがつんと言わせると同時に、自分はその香織をいじめることで嫌われようとした?

 ともあれ、何とか忍エンドへ。加害者であることを受け入れていけばそれでいい、という論理はどうかとは思いますが、ラヴが所詮、何者をも傷つけないものではあり得ないことを確信した主人公にとって、自分一人で全てを背負い込み、幸せになってはいけないと思いこんでいる風の忍には少し違った意味での「放っておけなさ」が感じられたのでしょう。でも、「ラヴは誰かを傷つける」のを仕方ないものだとしてしまった瞬間に、欲望だけで生きる獣になってしまう危険性が垣間見えるんですけどね。まさしくラブラブ党が批判するところの。このあたりのバランス感覚こそ、養わなければいけないのでしょう。それが、罪悪感を抱いて生きていく、ということであって、それは口にするほど簡単なことではないようです。

 愛美エンドへ進めたのは、作業なので省略。ゴージャス・ラブに一度負けているのはご愛敬。

 

第九話  愛の大団円

 言うことないですねぇ。ご両親との論撃は、すでに調子を取り戻していたので快勝ですし。

 最近、ファンサイトやレビューサイトを巡っていて「ゴージャス・ラブ誕生の理由は?」との問いに作品中で正しく答えが出ていないとの指摘がありました。注意してテキストを読みながらプレイしていたのですが、やっぱり分かりませんね。はじめにゴージャスありきだったのでしょうけど。全体の完成度が高いだけに、こうしたところの「辻褄のあわなさ」が残念です。

 

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