キャプテン・ラヴ  ファーストプレイ終了記念プレイレポート

 

 キャプテン・ラヴの初めてのプレイが一通り終了しました。何日かおきにプレイする形だったので、2週間ほどかかってしまいましたが……。いやぁ、いい作品じゃあないですか! 時にその愛に真剣に悩み、その愛を熱く語り、その愛に涙する。数えるほどしかやっていませんが、小生がこれまでにしてきたこの手のゲームでは一番の出来だと思います。

 ただ、惜しむらくは、プレイスタイルの選択を誤ったところです。先達の方々に言われたように、途中で他の女の子に転ばなかった(!)のは、ある意味で勿体なくもあります。初めに、今回の小生のプレイ姿勢について簡単に触れさせて下さい。小生、今回は「満腹亭」素のままではなく、主人公に「感情移入」する形でプレイすることを選択しました。いや、無意識的な選択と言うべきでしょう。そのために、本来のダメ人間・満腹亭ならば当然にころっといってしまうような、少女の健気な台詞にも、「キャプテン・ラヴ」として、毅然と対応できてしてしまったのです。心の周りに一枚、幕をおいていた、というべきでしょうか。話の展開の分からないファーストプレイでこそ、翻弄されるべきだったと考えると、こればかりは残念です。とすれば第三話、五話、七話が今回のプレイで見られなかったのは、不幸中の幸いというか、災い転じて福というか、そんなところでしょう。

 さて、以降は一話ずつ、簡単に感想を付していきましょう。

 

第一話  愛の接近遭遇

 まずはラブラブ党入党アンケートの記入。この時点で、少し怪しい空気は漂い始めていました。「好きな女性のタイプ」みたいな質問の回答欄に、小生の好みにもろにはまってくるのがなかったのです。これって、おそらくゲーム中のそれぞれの女性キャラについて書いてるんだろうなぁ、と漫然と考えながら、一抹の不安を覚えたのでした。「好きなタイプはない」と答えておきましたが……。ちなみに、小生の好きなタイプは「キャラの濃い女性(ヒト)」(爆死)。まぁ、「知的で凛とした年下の人」みたいに、組み合わせを変えれば、一撃で小生のハートを鷲掴みできるタイプも作れるんですが(謎)。

 で、本編。マニュアルやら先達の皆様からの解説やらから、「永堀愛美」ととりあえずラブラブになるらしいことは分かっているので、そこまでは手短にすむだろう、というつもりで始めたら大誤算。結構長いじゃないですか。それに、いつの間にかラブラブ党に惹かれてしまい(書記長、八奈見さんだし)、党議に忠実なるラブラブ党員として行動。所々で、選択肢を選んだ意図と展開(ゲーム中での主人公の心情吐露)が違ったりと違和感を覚えつつも。

 愛美の声は、みなさん仰るとおり、初めは「こりゃダメだ」(笑)。しかし、聞き慣れてくるとこのどこか抜けた鼻声(失礼!)も、愛嬌があっていい感じになってくるから不思議です。故人曰く、「美人は三日で飽きるが、ブスは三日で慣れる」。それに、彼女の奇行の数々に徐々に引き込まれていきます。特に、あの部屋! 何だ、この東京タワーは! いやぁ、いましたよ好きなタイプが。キャラの濃い女性(爆)。

 しかし、小生はあくまで忠実なるラブラブ党員として、愛美お嬢様に変な虫が付かないようにと監視しておりました。ラブレターを見たときの感想は、「片思いだな」。そうやってプレイしてきたのに、展開は無理矢理に主人公を押し流していきます。で、一つしかない選択肢で、否応なしにラブラブ党を脱党。釈然としないものを覚えつつも、プレイヤーの中の心を、モニターに表示される主人公の心情テキストに近づけていく作業を続けます。

 書記長との訣別は、辛かった。一度は、父とまで慕ったのに(謎)。

 

★論撃バトルについて

 論撃最高! 以上。

 ……ではさすがにアレなので。これまでのどんなゲームよりも、熱く、燃えるものを感じました。序盤はともかく、終盤の方で大物相手ともなると、コントローラーを握る手がじっとりと汗ばんできます。しかし、最後の選択肢がでてから時間切れまでのタイミングが、初期の予想以上に短い! おかげで、ナンバー3に負けてしまいましたよ。まぁ、初めは勉強ということで仕方ありませんが。相手の台詞を聞きながら、「自分ならどう論撃するか」をシミュレートし、もちろんそのままの選択肢はないので、出てくる選択肢について批判的検討を加え……、といった感じで最も適切と思われる回答を選ぶのですが、上記のような理由から、最後の選択肢は慎重に検討できません! 幾度か、ボタンを押した直後に「しまった!」と叫んだことがありました。まぁ、これからは論撃モードで論撃三昧の日々が送れます。小生の周辺でも、「論撃」という言葉を広めていきたいと思います。

 最後にもう一度。論撃万歳!

 

第二話  愛のクリパン繁盛記

 杉江はいいキャラです。まったく、魂の成長って何です? プレイヤーに映画の知識がないので、時々でてくるネタに反応できないのが残念。

 しかし家庭教師か。うぅん、くそう。小生も学生のうちに、可愛い女子小中学生(高校生はいや)の家庭教師をしたかったなぁ(処刑)。それはともかく。年下、幼い感じのする女の子は基本的には嫌いではありません。というか、小生の萌えポイントはプロフィールに書いてあるとおり、「ロリと眼鏡」なので、この子には結構期待してました。先達のみなさんのお薦めもありましたし。

 でも、今ひとつ、切なさが足りないんですよね。一応、「彼女持ち」の状態で、プレイヤーとしてはついさっき(キャラとしてもそうだったようだが)、それまでの思想信条を捨ててまで、「彼女だけを愛し続ける、彼女を幸せにする」と心に誓ったばかり。そこを心動かされるほどには、ちょっと力不足の感が否めなかったかな、と。一応、冷たく突き放すこともできないので、「交際する気はない」と宣言はしつつも、だらだらと付き合ってはいたのですが、彼女、一人で満足しているみたいだし。ちょっと、押しが弱いかな、と感じました。

 小生の萌えとも、微妙にずれているんですよ、これが。小生は正統派ロリータコンプレックスなので(自慢できない)、「大人びた少女」に惹かれるのですが、神原のどかは設定年齢より幼く見えるし……。

 しかし、全てが終わった後ののどかの「私の愛情のこもったクリームパンを、お金を出してしか買うことの出来ない、ただのお客さんに戻っちゃうんだよ」という涙声かかった台詞で初めて、ぐっと来ました。この台詞がもっと早く聞けていたら、あるいはこの子に転んでいたかもしれません。

 

第四話  愛と青春のラヴラブショー

 眼鏡は小生が「属性」として公言してはばからないところ。ちょっとだけ不安はあったものの、青野静果さんには期待してました。前回よりは少し「感度」を上げて、やられやすい姿勢を整えてトライ。

 ご近所だし、嫌がっちゃ悪いだろう、というのを基本ラインとして対応。でも、さすがに毎食毎食作ってもらうのは、「さすがに悪いですよ」。いたって常識的な対応をしたつもり。でも、だんだん様子がおかしくなって行くんですよね。

 やっぱり、今ひとつ時間が足らないのかなぁ。だんだん危なくなってきたところ、あと台詞2つで転ぶかもしれないというところまできていながら、愛美登場。さすがにね、無理ですよ。彼女の前じゃあ。単に小生が恐妻家なだけじゃないかという気もしてきます。

 ゴージャス・ラブには喝采。誠意の味方、ですか。誠意=カネなわけね? そういえば、誠意大将軍っていましたねぇ。彼の誠意もこういうものだったんでしょうか。まぁ、ないよりゃあった方がいいんでしょうけど。この手の作品ではいて当然のキャラでもありますし。

 幼稚園児との論撃は辛かったですね。ところで、「キャプテン・ラヴF」ってなんですか? Fって。何か、セーブ画面の右下にもFってついてますし。

 

第六話  愛と哀しみのラプソディ

 オープニング。F、まだついてるのね(苦笑)。アレって一発ネタじゃなかったんですね。これはこれでいいかも(?)。

 冒頭、近藤香織のモノローグに、ぎょっとしました。おいおい、今回はついに彼女ですか? それは、辛い。と思ったら、なに? 映画? 杉江の? 何だ、と安堵。そういうことなら、全力で協力しましょう。

 愛美登場で慌てます。彼女なら、「映画」でも嫉妬しかねないかも、と。でも、何か乗り気。じゃぁ、最後は香織と結ばれる方向で……。選択しながら、おそるおそる愛美の反応を伺います。怒るかな? って、これじゃあ全く恐妻家ですねぇ(苦笑)。でも、全然気にしない様子なので、ホッと一安心。ま、浮気はお話の中でだけ、ってことで。

 油断してたら、色々と急転直下に展開して実は本当に香織が主人公のことを好き? いや、分かってたハズなんですが。オープニングムービーの曰くありげな表情七変化とか、マニュアルのキャラ紹介とか、そしてなにより「お約束」とか……。しかし、一回外されていたがために、まったく「ボディががら空きだぜ」状態になっとりました。コントローラーを取り落としかねない勢いで。

 しかし香織ちゃん、キャプテン・ラヴの正体を明かしちゃダメですよ。

 だけど杉江め、ぜんぶ知ってたのか。くそう。何て奴だ。何ていい奴なんだ! 男だよ、お前は男だよ。それに比べて俺は、俺は! って感じで、この話が一番ハートを酷使されました。とはいえ、愛美も目の前にいる状態で、香織に転ぶのは選択肢の外。むしろ、四人の友人関係を維持できないのか、と悩む日々が続きました。

 サラリーマン部隊はすごく好き。マスク部長、恰好の大仰さの割に、何て気が弱い論撃。とはいえ、他人にどう思われても構わない的な性格が「強さ」になっているらしく、一度は敗北を喫していまいました。「伝説は嘘をつかないのさ」という言葉の意味を、一瞬で理解できなかった小生には、愛を語る資格はないのでしょうか? このあたりの伏線の使い方は巧みだなぁ、と思います。自分の創作活動にも活かしていきたいところ。

 

第八話  愛のラストチェンジ

 忍さんはあからさまに怪しい。初めから警戒モード全開。愛美もいるし(笑)。

 でもねぇ、愛美ちゃん。そんなに信じられないの? と言いたくなりましたね、この話では。愛美との愛に疑問を抱く今日この頃。この回にのどか級のキャラが出てきて惹いてくれたら、確実に転んでいたでしょう。

 物語はラストに向かって進んでいきます。遊園地の好感度調査で、キャプテン・ラヴの好感度が60%を越えた? どういう市民なんでしょう(謎笑)。

 遊園地のアトラクへの出演以来には、香織との関係を何とか修復したい、と対応には気を使いますが、愛美とも険悪な仲になっているタイミングでは、不活性。手詰まりか? バッドエンドか?

 幸長が夜に訪れてくるまでは、主人公同様プレイヤーもかなり落ち込みモード。第六話から、感情移入がすごく激しくなっています。このあたりの技量はすごいですね。

 愛美の母の驚愕の正体は、「キャラ別ボイス設定」で知ってしまったのが残念。

 緊迫の度を加えていくストーリー。いやが上にも盛り上がっていきます。プレイヤー的には「出来ればやりたい」と思いながらも泣く泣く断った「レジェンドマンVSキャプテン・ラヴ」も、いつの間にかやることに!

 香織の「ああいうヒーローものの客層って、どの辺か知ってる?」という台詞と、その後の一連の話で、不覚にも涙。

 ここで変身して救いに行って、それでこっちを嫌いになるようなら、それも仕方ない、と腹を決めました。そこまで愛美がわがままだったら、こっちのラヴが届いていないのであったら、うまくやっていけるはずはないんだから……(何か、深刻に考えてるし)。悲壮な決意で、ラストチェンジ!

 やっぱり出てくれたね、ゴージャス・ラブ。しかしあんた、本当に営業マン? そんなトークで客が取れるのかなぁ。まぁ、そのしつこさに閉口して契約したりするのかもね。苦戦しつつも、勝利。

 さぁ、最後はカイゼル・ラブこと永堀書記長! と興奮と緊張が最高潮に達したところで、次回へ。

 

第九話  愛の大団円

 書記長に一言。「背広見えてまっせ」。さすがにラブラブ党の書記長だけあって、強いですね。一進一退の攻防を続けます。しかしなぁ、プレイヤーには彼の泣き所というか、論撃すべきポイントは見えてるんですけどね。明確に「これだ!」という選択肢が出てこないんですよ。どっちかというと、消去法みたいで。

 自分の舌で論撃したい!

 まぁ、長期戦になりながらも勝利。「納豆じゃなければ何でもいいよ」という台詞には同感。

 「愛の小鳥」のデータベースで選抜された青年たちが愛美を取り囲むシーン。愛美が自分の力で、自分の決意で彼らをことごとく粉砕していく姿に、また、涙……。ああ、これまで戦ってきたのは、無駄じゃなかった。俺のラヴは、しっかりと伝わっていたんだ、と。

 にしても、お母さんは強敵でしたね。確かに正論。三年生のこの時期にぶらぶらしていちゃあ、就職は厳しいんだろうなぁ。正直、プレイヤーが自分の舌で論撃して、絶対に勝てないと思ったのは彼女だけでした。それでもなんとか、勝利。

 その後、大団円までの過程では、特筆すべきところはなかったかな? 東京タワーの伏線が、ここへ来てやっと利いてくるのは、まぁ、そんなものかと言うところですね。

 

 

総括

 小生の好きな、「ちょっとずれたヒーローもの」、良質なラブコメの両方の要素を十二分に満たしていて、大変楽しくプレイできました。小生、TRPGを初めてからはTVゲームの類はほとんどしておらなんだのですが、主人公として物語を追体験するという形で、ここまで心を酷使できたのは嬉しいことです。本当は、世の中にはもっともっと良質なゲームがあるんでしょうねぇ。

 この大変素晴らしいゲームを小生に教えてくれた先達の皆様、特にけろりん様と番長様には深甚なる感謝の意を表させていただいて、まずは筆を置きます。

 

 

 

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