2014年




『人外境ロマンス』(北山猛邦/角川書店 2013.06)
 収録作品
「かわいい狙撃手」
「つめたい転校生」
「うるさい双子」
「いとしいくねくね」
「はかない薔薇」
「ちいさいピアニスト」
ノミネート全97作
 「ヒトと、人外の存在のせつない恋をめぐる謎物語集!!」(帯より)。

 「人外境ロマンス」というタイトルにうきうきしながら読み進んでいったら、「考え抜かれたトリックと、湿度の低いポエティックな世界観に定評がある」北山猛邦が著者だったので「せつない恋」のせつなさに割と容赦がなかった。
 「本読み女子におくる、旅と冒険の物語マガジン」こと電子書籍月刊誌「小説屋sari−sari」に掲載されていた為、ヒトか人外の存在かに関わらず女性の方が魅力的に描かれているように思える。
 で、男性が人外の存在の方がハッピーエンドで、女性が人外の存在の方がビターエンドの傾向がある。
 本作からひとつあげるなら「いとしいくねくね」。
 「ヒトと、人外の存在のせつない恋」というテーマで「人魚」とかならともかく「くねくね」を題材にしてこんな話にするなんて。
 この作品をあげるにあたって「オススメ」という表現は使いたくない。
 その代わり本作の6編を綺麗に表現したカバー、こちらは問題なくオススメできる(↓だと表紙側しか見えませんが裏表紙側まで含めて一枚のイラスト)。


株式会社KADOKAWAオフィシャルサイト   人外境ロマンス


 ちなみに、2014年の作家は2009年に続き、再読含めて12作の穂村弘
 歌人なんだけど今までエッセイや対談集を中心に読んできたのが歌集や詩集や詩歌について語った本にも手を出した結果。


 そして、2014年の漫画家は9作の原作・原田重光 作画・瀬口たかひろ


参考資料甲斐高風のBOOK LIST(北山猛邦)
参考資料甲斐高風のBOOK LIST(穂村弘)
参考資料漫画家作品年表(瀬口たかひろ)


TVドラマ『三匹のおっさん』(テレビ東京 2014.01.-2014.03.)
ノミネート全65作
 


TVアニメ『凪のあすから』(TOKYO MX 2013.10.-2014.04.)
TVアニメ・特別賞『プリティーリズム・レインボーライブ』(テレビ東京 2013.04.-2014.03.)
ノミネート全139作

 

 


邦画『のぼうの城』(2012年)
役者橋本甜歌、繭、矢野未夏(『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』2014年)
ノミネート全15作

『のぼうの城』
・ 野村萬斎主演、犬童一心×樋口真嗣監督作品。石田三成率いる20000人からなる多勢相手に戦った忍城城代・成田長親(“でくのぼう”=“のぼう様”)率いる500人の武士&3000人の農民からなる無勢の物語。惹句は「豊臣軍にケンカを売った、でくのぼうがいた。」

・ 第29回城戸賞入選作である映画脚本「忍ぶの城」を映画化させるために本人が小説化した『のぼうの城』(和田竜/小学館)を本人脚本で映画化(ややこしい)。『のぼうの城』は第139回直木三十五賞候補作、受賞作は『切羽へ』(井上荒野/新潮社)。第6回(2009年)本屋大賞候補作、受賞作は『告白』(湊かなえ/双葉社)。

・ 迫力ある合戦シーンや水攻めシーンや小舟の上での田楽踊りが見所。どのくらい迫力があるかというと、本来なら2011年公開予定だったのが東日本大震災の津波の影響を考慮してこの水攻めのシーンの所為で公開を1年延期したくらい。

・ ちょっとストーリーというかのぼう様のお考えに納得がいかないところがあるのはいいとして(いいのか?)、榮倉奈々に甲斐姫(忍城城主・成田氏長の娘、ちなみに成田長親は成田氏長の従弟)を演じさせたのにおとなしくしてるってどういうことなの。甲冑つけて大暴れさせるためのキャスティングじゃなかったのこれ。

『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』
 2014年の役者には『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』神前美月役の橋本甜歌、寿日和役の繭、桐谷雪那役の矢野未夏を。
 R15+指定の映画を初めて劇場に観に行った記念に(オイ)。
 『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』は松沢まりによる漫画が原作で、2014.01.-2014.03.にはTVアニメ化もした作品の実写映画化。
 ちなみにTVアニメはTOKYO MXとサンテレビで22:30に放映していたら放送倫理・番組向上機構(BPO)で審議対象になったため途中で深夜枠に移動になった。
 母親の再婚で義兄・神前夕哉(小林ユウキチ)ができてしまった高校生・神前美月、そんな彼女の前に 夕哉お兄ちゃんに恋する謎の幽霊少女・寿日和が現れたり夕哉の幼馴染である教育実習生・桐谷雪那が現れたりして、 日和に憑依されてるためにT.S.T(貞操帯)をはめられてしまった美月は日和を成仏させるために(=T.S.Tを外すために)夕哉とラブラブしなくてはならないことに……といった物語。
 ちなみに原作だと桐谷雪那は年上とはいえ神前兄妹と同じく高校生だったんだけどね。
 元々原作・TVアニメを見ていたのもあったけど↓の写真を見て貞操帯好き(突然の性癖暴露)としてはこれは見なくてはなるまいと観賞を決意。


映画『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』公式サイト

映画『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』 Facebook   タイムラインの写真


 ちなみにこのT.S.Tは日和が成仏するまで外れないのだがそれでは生理現象はどうやって処理しているのかというと、原作では限界まで我慢すれば外れる仕様に、TVアニメでは3分間外すことができるが一度外すと次に外せるようになるまで1時間待たなくてはいけない仕様になっている。
 で、映画では出そうになれば外れるという原作に近いといえば近い仕様になっているのだけど、R15+的な意味で催しても外れるので全く貞操が守られない貞操帯になっている。ダメじゃん。
 作品自体の感想としては、原作から外れて強引にいれているR15+なシーンはイマイチだったけど(自分で書いたメモにある69W顔面潮吹き、競泳水着尻バットっていう字面は面白いんだけどなぁ)、 原作から外れていきながらも思いのほかちゃんとまとまったストーリーはとてもよかった。

 余談だけど2014年の役者の次点を選ぶとすればTVドラマ『トクボウ』(日本テレビ 2014.04.-2014.06.)の伊原剛志(警察庁生活安全局特殊防犯課指導係・朝倉草平警視役)、安達祐実(警察庁生活安全局特殊防犯課長・叶美由紀警視正役)、松下洸平(警視庁豊島警察署刑事課・辻恵一巡査役)、川平慈英(警視庁刑事部捜査第一課・伊達鉄人警視役)。
 高橋秀武による漫画『トクボウ 朝倉草平』が原作で、悪人を矯正執行という名のSMで更正させる物語。
 うん、なんというか大丈夫か甲斐高風。


洋画『マレフィセント(Maleficent)』(2014年:アメリカ)
ノミネート全9作
・ ディズニー映画。アンジェリーナ・ジョリー主演。3D吹替版を劇場観賞、したはず。

・ ディズニー長編アニメーション映画にしてプリンセスストーリーの名作のひとつ、シャルル・ペローの童話を原作にした『眠れる森の美女(Sleeping Beauty)』(1959年:アメリカ)の魔女マレフィセントを主人公にして描いた『眠れる森の美女』の真実の物語。 『ふしぎの国のアリス(Alice in Wonderland)』(1951年:アメリカ)とその後日談である『アリス・イン・ワンダーランド(Alice in Wonderland)』(2010年:アメリカ)という関係ならまだしも、往年の名作アニメ映画のダークファンタジー版実写映画をこちらが真実の物語って言い切ってしまうのはどうなんだろう。

・ 裏切られた元彼の娘を呪おうとしたが愛してしまうこじらせ女子の話。女子?

・ マレフィセントの手下になったカラス(ディアヴァル、役者はサム・ライリー)がとにかくいい奴だった。


アニメーション映画『ベイマックス(Big Hero 6)』(2014年:アメリカ)
ノミネート全12作
・ ディズニー長編アニメーション作品。マーベルのアメコミ原作。

・ 2009年にマーベルってディズニーの子会社になっていたのか。

・ サンフランソウキョウ(サンフランシスコ+東京)を舞台にした14歳の天才少年:ヒロ・ハマダと兄・タダシの残したケア・ロボット:ベイマックスとの触れ合いの物語に重点を置いた日本の宣伝に予告詐欺の声も一部にあるが、 アメコミ原作でボディガード・ロボットだったベイマックスをケア・ロボットにした時点でわかるように、ここに重点を置いていることに別に嘘はない。 6人(?)のスーパーヒーロー戦隊ものという側面にあんまり触れていないだけで。 実際観てみれば、予告を見て期待した通りの後味が得られると思う。自分は得られた。

・ 近年稀に見るロケットパンチ作品。相手に拘束される→ロケットパンチで相手を吹き飛ばして自分も飛んで脱出する→ロケットパンチに追いついて手に戻す流れなんか最高。

・ 「強くなくては生きていけない。優しくなれなければ生きている資格がない」(フィリップ・マーロウ)という言葉を思い出しながら映画館を出たら、ポスターの惹句が「“優しさ”で世界を救えるか?」だった。

・ ところで実はマイクロボットと『アナと雪の女王』のエルサの氷の魔法って映画上の表現としては似てるよね。

・ 同時上映は短編「愛犬とごちそう」。話はわかるし映像表現の凄さもわかるのだが、ごちそうがアメリカン過ぎて絵面があんまりにもあんまり。

・ 余談だけどどこかで書こう書こうとずっと思っていながら書きそびれてきたからここに書くけど、スタジオジブリ映画の『思い出のマーニー』のマーニー、何をやっても綺麗だなあ様になるなあと思っていたけどロングスカートでボートを漕ぐのだけはどうかと思いました。 なんでここに書いたんだこれを。


ゲーム『ちぇ〜んじ! 〜あの娘になってクンクンペロペロ〜』(May−Be SOFT/Windows Vista/7/8/8.1 2014.07.25.)
ノミネート全12作


キャラクター日下部由紀、星野かずさ(『日下部くんanother』『日下部くんanotherその後』しんどうさん/かばやき)
 『日下部くんanother』は元々は「まんがタイムジャンボ」(芳文社)でゲスト掲載(実質連載)されていた神堂あらしの4コマ漫画。
 強面で一匹狼の会社員・日下部由紀(26)と地味で物静かなOL・星野かずさ(21→22)が入れかわってしまったという男女入れかわり系オフィスラブコメ。
 連載当時から好きな作品だったのだけど、↓の『日下部くんanother』の日下部くん(外見上は星野さん)を見た瞬間この作品の何が一番好きだったのかがはっきりわかって、その勢いのままに『日下部くんanother』も『日下部くんanotherその後』も購入。
 赤面する俺っ娘っていいよね(中身男だけど)。
 で、改めて読んでみたら『日下部くんanotherその後』のキャラしょの言葉を借りると「若干もろいメンタルを外見でカバーしていた為虚勢を張るしかなくなった人」「元々物事に動じない鋼の精神の持ち主が強靭な肉体を得て最強と化した恋する乙女」との組み合わせが実によかった。
 どちらも可愛い。
 そして連載からの追加分でラブコメ展開が加速していた。


「神堂あらし/しんどうさん」のプロフィール [pixiv]
  コミティア110新刊サンプル
  コミティア107新刊サンプル


 尚、一応2014年のキャラクター・次点を挙げておくと、姫柊雪菜(『ストライク・ザ・ブラッド』 TOKYO MX 2013.10.-2014.03.)になります。
 『ストライク・ザ・ブラッド』は三雲岳斗のライトノベル原作であり最強の吸血鬼・“第四真祖”になってしまった高校1年生・暁古城&彼を監視する為に政府特務機関である獅子王機関から派遣されてきたた見習い“剣巫”である中学3年生・姫柊雪菜の物語。
 所謂鈍感主人公&チョロインハーレムものと言えるんだけど、みんな妙に肉食系というか自分の意思でやることやってるところが好感持てる作品。
 で、姫柊雪菜のスペックは誕生日は1月7日、身長156cm、3サイズはB76cm(Cカップ)−W55cm−H78cm、声優は種田梨沙、武器は魔力無効化能力を持つ槍(七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー))・“雪霞狼”(ちなみにギターケースに入れて常に持ち歩いている)。
 チョロインハーレム軍団の中でも監視役という名の正妻としてパンチラ(作中で必ずしもそうではなかったのに妙に縞パンの印象が強い)、下着姿、制服姿やチアガール姿やドレス姿や浴衣姿や裸パーカー姿(しかも暁古城の!)やアリス姿やナース姿といった数々のコスプレ(違)、すっぽんぽん、膝枕、吸血されるといったありとあらゆるサービスを提供するというかさせられるというか。
 決め台詞からして「ここから先は、オレのケンカだ!」「いいえ、先輩。私達のケンカです!」といった正妻宣言。
 ちなみに本作品の場合、暁古城の吸血行為には性的な興奮+12体の眷獣を出産、もとい、覚醒させるという要素がある。
 つまり、完全にアレの隠喩である。
 いやらしい。
 そういえば陰性だとかあの日なら比較的安全ってわかってましただとか言ってたしなぁ。
 余談だけど格闘ゲーム『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』(セガ、電撃文庫創刊20周年記念企画「電撃文庫VSセガ」第4弾)はVer.1.20で追加されたメインキャラクター姫柊雪菜&サポートキャラクター暁古城のコンビで1コインクリアした。

 あと2014年のキャラクター・次点を2024年になって追記するのもアレだけど終盤の結婚指輪(違)をしている姫柊雪菜が物凄く好きなので参考資料置いておきますね。
 それと全く関係ないけど一番好きな資料も置いておきますね。


三雲岳斗(@mikumo)さん / X

余所様の作品で恐縮だけどブルアカの月雪ミヤコさんも今日が誕生日だと聞いた(未所持)
1月7日生まれの15歳で、身長156cmで、対テロ業務に従事してて、先生にデレるのがミヤコ、先輩にデレるのが雪菜
卑しいといわれてるのがミヤコ、いやらしい!って言うのが雪菜…(雪菜が卑しくないわけではない) pic.twitter.com/7fjy95G6rc

— 三雲岳斗 (@mikumo) January 7, 2024

メガミマガジン10月号の見本誌をいただきました! ありがとうございます!
こちらを保存用にするということで、自前で購入しておいたぶんに関しては心置きなく「ちょっとエッチな袋とじ」を開封して中身を確認できますね…!#ストブラ #メガミマガジン pic.twitter.com/PagwzjHlB4

— 三雲岳斗 (@mikumo) September 11, 2022



しるめりあ(@_silmeria_)さん / X  メガミマガジンにイラスト描いてます #ストブラ


KADOKAWAイベント情報(@kadokawa_event)さん / X

#C99 #KADOKAWA ブース オンライン 商品情報】
「ストライク・ザ・ブラッドIV」WスエードB2タペストリー 姫柊雪菜 桜の花びらver.

コチラは「コミケ会場・カドスト」限定で、
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ご予約は https://t.co/S4RwzFptky#ストブラ #ストライク・ザ・ブラッド

— KADOKAWAイベント情報 (@kadokawa_event) October 22, 2021

予約開始 ストライク・ザ・ブラッドW ラバープレイマットコレクション 姫柊雪菜 桜の花びらver. 舞い落ちる桜の花びらと恥じらう雪菜をあなたのデスクの上に   ご予約はコチラ #ストブラ  https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g302106000318/?twt=goods


 あと姫柊雪菜を選んでおいてアレだけど姫柊雪菜の親友である獅子王機関の“舞威媛”・煌坂紗矢華も好き。
 何がいいって、ポニーテールなところとか剣にもなり弓にもなる武器である六式重装降魔弓(デア・フライシュッツ)・“煌華麟”の装備の関係で紐パンなところとか男嫌いだったはずなのに暁古城にお姫様抱っこされたり毎日電話して来たり片足のニーソックス脱いで吸血迫ったり汗の匂いくんかくんかしたりするところ、ではなく、 姫柊雪菜の親友であるがゆえに彼女の恋のライバルになったりすることができずに妙に愛人気質を漂わせてしまうところがいい。
 そして同様に古味直志の漫画『ニセコイ』(集英社、TVアニメ(TOKYO MX 2014.01.-2014.05.)も)の鶫誠士郎も好き。
 何がいいって、男装の麗人なのにナイスバディなところ、ではなく、 主要ヒロインの1人でありながら物語の鍵である「鍵」(現時点で4本登場)を所持していないため主人公・一条楽の約束の女の子である可能性がなく、 またメインヒロインであるギャングのボスの娘・桐崎千棘のことをお嬢と呼んで彼女に仕えているがゆえに彼女の恋のライバルになったりすることができずに妙に愛人気質を漂わせてしまうところがいい。
 と、いうことは、今まで全く自覚がなかったのだけど自分にはそういう趣味があるのだろうか。


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