流星機ガクセイバー

 ラジオドラマを初めとして、漫画、小説、OVAと【メディアミックス】展開した作品。ラジオドラマ、漫画、小説で少しずつ細部が異なっている。
 文明が一定程度まで進展した地球に対し、宇宙からの侵略者が地球の占有権をかけて対決を申し込んでくる。その方法が、巨大ロボットによる一対一の決闘だった。この日のために、銀河連邦より、8つのユニットよりなる決闘用のロボット兵器が隕石に乗って届けられるのだが、意図と使い方を理解できない地球人類は、侵略のその日までロボットを起動することもできなかった。
 結局、高校教師・羽柴当吉が生徒8人を連れてこの8ユニットを起動。各ユニットは合体変形して巨大ロボット「ガクセイバー」となった。侵略者との地球をかけた戦いは、8人の高校生に委ねられることになった!
 というのが少し嘘。実は8ユニットのうち、アイドル歌手安藤新菜の乗ったユニットだけは合体していないので、ガクセイバーは7ユニットによる未完成ロボットとなる。これは新菜のわがままに辟易したほかの学生たちが心の底で新菜と一緒になることを嫌がっていたため。
 ここから、羽柴先生の大進撃が始まる。ルールもシステムもよく分からない宇宙決闘の内容を大胆推理した羽柴は、「世紀の決戦」として放映権料を高額でTV局に売却。さらにガクセイバーの機体に企業ロゴをつけて広告費を稼いだうえ、民間企業にガクセイバースタッフのバックアップ用の機材供出を依頼(もちろん、「地球の命運」をかけた決戦に協力したという広告効果を考えて)。こうして補給を充実させて決戦の日に臨んだ。
 決闘は学生たちの頑張りで勝利に終わるが、「地球の占有権を主張する銀河種族は相当数にのぼる」といわれ、この決闘はまだまだ続くことに…。
 漫画版では国連などが銀河決闘の主導権を握ろうと羽柴の失脚を目論んだり、小説版ではガクセイバーのコクピットに載せるコンピューターを選定する場でメーカーのセールスマンが「象が踏んでも壊れません」の名言を吐いたりと、見所満載。漫画版は掲載誌の廃刊で打ち切りになったのが残念。単行本2巻のラストでは、侵略者に敗れたある星の8人の学生が操る「オクトパソード」がガクセイバーに戦いを挑むというシリアスな展開になっていただけに。このタイプのロボットは「ユニット8」といって、後進開発星向けの迎撃戦用ロボットで、機体のスペックはガクセイバーと同じ。だが、実は7体合体のガクセイバーは8体合体のオクトパソードよりも性能に劣る。新菜と他のメンバーの心の溝がどうなるか、というところで終わっている。連載はもう数話あったのかなぁ。

 

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