ろりぽ∞ メイド喫茶名鑑

 Comic REXに連載中のメイド喫茶バトル漫画「ろりぽ∞」に登場するメイド喫茶について、単行本5巻とComic REX08年8月号掲載分までの各種情報をまとめています。
 この作品は、当初から相当程度練り込んだ設定の上で描かれているようで、作中を注意深く読み込んでみても、大きな構造面での矛盾はほとんどありません。たとえば、2品目(第2話)でアンリミテッドのトップウェイトレス(当時)、鎌ヶ谷みさきにアニメ「メイドうぇいとれす★みのりちゃん」DVD-BOXの実写CMでみのりちゃん役を演じるよう依頼にきたのは大泉動画プロダクションの営業部長、佐藤康隆氏でしたが、10年前に「みのりちゃん」が放映されたときの同プロダクションのプロデューサー、五香東(後のアンリミテッド店長)が差し出した名刺(第24話)は、第2話の佐藤部長と同じデザインです。
 一方、矛盾点はむしろ、細かいところで出ています。シルエットで初出したときの「元山クヌギの母」(=蓮花寺ほだか総理)が、クヌギより身長が高い(クヌギは152cm、ほだかは148cm)だとか、ロリポップとU・Kがメイドコンペを演じた前原学園の文化祭「前原祭」の開催日が1週間ずれてたりとか。
 ともかく、小さな1コマだけで描かれているネタや、単行本表紙(カバー下)に収録されたメイドコンペ公式サイト「萌仮面の部屋」のスクリーンショットなどを注意深く観察し、情報をまとめたものが、この名鑑です。たとえば、1巻の「萌仮面の部屋」には、「巫女茶屋・千草」がメイド喫茶ランキングで五ツ星のアンリミテッドについで名前だけ紹介されています。1巻の初版発売は06年7月。対して、本編で千草が初登場するのは第14話(07年1月発売)です(ちなみに、同じ14話には、1巻「萌仮面の部屋」でロリポップと同時期に新規店として紹介された「世紀末救世主喫茶・北斗星」も1コマ登場)。
 千草の例から考えると、今後もなんらかのかたちで、すでに名前だけ登場していた店が本編に絡んでくることが予想されます。特に「8店の定数制」とされる四ツ星店については、失陥した千草を別にしても、すでに6店の名がなんらかの形で示されています。四ツ星ながら閉店したU・Kを別にすれば、実のところ、最終章になるかもしれない「メイド喫茶トーナメント」に出場する8店のうち、まだ名前が出ていない店舗は1店だけ、ということになるのです(逆説的にいえば、だからこそ、メイド喫茶トーナメントは本編で実は描かれない、という予測も成り立ちます。

★★★★  メイド喫茶アンリミテッド
 前身はアニメ「メイドうぇいとれす★みのりちゃん」の製作元(ただし元請け)である大泉動画プロダクションが企画した「みのりちゃんカフェ」。同カフェのスタッフが“日本初”の常設メイド喫茶として設立した。前オーナーは蓮花寺ほだか。現在は店長・五香東が切り盛りし、背後に萌仮面=元山タカシが糸を引いている。真・アンリミテッドとのメイドコンペに敗れ、初めて五ツ星を失陥した。現在のエースはメイドの元山クヌギと執事・鎌ヶ谷大洋の「小学生コンビ」。必殺技は「無制限の笑顔(アンリミテッド・スマイル)」。また、この技を発動すると、周囲に“下手に入ると馬に蹴られる鉄壁のガードフィールド”たる「ホースフィールド」が発生する。

★★★★  メイド喫茶 真・アンリミテッド
 アンリミテッドの経営権を奪われた蓮華寺ほだかが設立した新店舗。看板メイドに鎌ヶ谷みさき、メイド服にはアンリミテッド旧制服を採用(ただし、アンリミとのメイドコンペで、萌仮面レディ2世=ほだかは伝説のメイド服ほだかver.を着用しており、正式な制服が決定していない可能性も高い)するなど、「アンリミテッドがお家騒動で分裂した」ことを外部に明示している。店舗所在地は不明ながら、都内の模様。現在は週3日営業。鎌ヶ谷みさきの新必殺技は「みさきターン∞(アンリミテッド)」。さらに練習を積んで完成形たる「アンリミテッドみさきターン ムーンフェイズ」にまで進化させた。“世界一有名な声優”である萌仮面レディ2世の「晴海のセイレーン」の異名をとった発声も秘密兵器。

★★★★  メイド喫茶・白亜館
 キャッチは「横浜生まれの甘い誘惑」。50種類のケーキを売りにしており、メイドと一緒にケーキを見て回り、取り分けてもらえるサービスを行っている(1巻「萌仮面の部屋」より)。秋には、メイドたちが拾い集めた栗を使ったマロンケーキも店頭に並んだ。ケーキ自体も極上品ながら、「ケーキがスイーツなのではない。ケーキを持ったメイドがスイーツなのだ」という理念が徹底している。トップメイドは「赤い靴の居合いメイド」湊野ヨーコ(「赤い靴の少女」の舞台は横浜で、横浜港に記念像も立っている。「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」は横浜銀蠅のヒット曲)。必殺技「ランドマーク・サーティーン」は、ケーキを居合い切りでランドマークタワーの形にカットする大技。

★★★★  メイド喫茶オトナシ
 軽井沢の御用メイド喫茶。キャッチコピーは「高原を吹き抜ける癒しの風」。4巻、5巻の「萌仮面の部屋」ではアンリミを含むメイド喫茶ランキング3位、26品目(26話)では、四ツ星8店舗の3位に位置づけられている。エースは清楚可憐な巨乳メイド、白樺静。必殺技「軽井沢シンドローム」は、1982〜85連載の、たがみよしひさの代表作と同名だが、技の詳細は不明。

★★★★  メイドカフェー ネコネコネネコ
 人呼んで「北千住のキャットワールド」。猫耳喫茶だが、もしかしたら猫喫茶(本物の猫と触れ合える喫茶店、というよりは休憩所)の要素も兼ね備えているのかもしれない。ちびっこメイドが06年春ごろ加入している(1巻「萌仮面の部屋」より)。同年夏には店内に白砂を敷き詰め、ビニールプールを客席にして全力で夏を演出した。トップメイドは「日向のメインクーン」の異名をとる6代目ネネコ。ちなみに、メインクーンは家猫でも大柄な品種で、賢いこと、遊び好きなことで知られる。必殺技は「ねこかいぎ」。本物の猫と一緒にご奉仕する、人間離れした上級技だ。

★★★★  Maid Cafe エンドロール
 初期から「アキバの老舗」として名前だけは出ていたが、REX09年2月号(38品目)でようやくベールを脱いだ。「フラグの国のメイド喫茶」として知られる王道中の王道店舗。伝説の木の下でご主人さまを見守る幼馴染メインヒロイン系メイド、永守あかりの必殺技は「トゥルーエンド・クライマックス」。選択肢は萌え一択、とか、よくよく見ると王道メイド喫茶というよりも、ギャルゲー色がやけに強いのかもしれない。

★★★★  メイド喫茶 WHITE WISH
 アンリミ解雇後のみさきの移籍先候補(四ツ星)として初期に名のみ登場。トップメイド、No.612は次世代型メイドロボ(コスプレ)だが、メイドさん全員がメイドロボ(コスプレ)なのかどうかは不明。必殺技は「笑えないのは仕様です……(技名)」。

★★★★  プリティヴェール
 キャッチコピーは「最果ての白い恋人」。北海道の老舗で、札幌にラベンダーガーデンを営む。「あーんして」サービスを始めた店として名高い(1巻「萌仮面の部屋」より)。本編にも四ツ星として名のみ登場。ただし、いずれも春の時点であり、2巻以後の上位ランキングに入っていない上、REX08年2月号の四ツ星ランキング7位も、中村教授の手で隠れている部分の字数がプリティヴェールと合致しない可能性がある。さらに、同じランキングが単行本収録された5巻の26品目では、7位が初芽局に入れ替わっていた。これらのことから、3ツ星陥落しているのではないか、という疑惑もあったが、09年1月号では四ツ星店の1つとして登場している(ちなみに、この回には四ツ星に降格したアンリミを含めて四ツ星店がすでに8店登場。特別昇格した真・アンリミ、U・Kの補欠昇格するはずだったロリポップのいずれかが争うはずの「最後の四ツ星店」がどこに行ったのか…)。エースは地元の道産子メイドMARIMO、必殺技「ラベンダリア・スウィーティー」は、ラベンダーの香りを活用した技のようだが、詳細は不明。

★★★★  くノ一メイド茶屋・初芽局
 人呼んで「伊賀の未確認メイド物体」。エース、朧陽炎の必殺技は「忍法ステルス奉仕」。声はすれども姿は見えず、いつの間にかご奉仕されている、という萌えるのか燃えないのかよく分からない技と思われるが、レベルが高いことだけは間違いない。他の四ツ星店が「萌仮面の部屋」で名前が登場していたのと異なり、26品目(単行本5巻収録)でのランキングで四ツ星店の7位として初登場(ComicREX掲載時には7位はプリティヴェールだった)。6巻「萌仮面の部屋」ではランキング5位にまで上っている。上位陣がメイドトーナメントに備えて対戦を控えるとされる10〜12月にかけてランキングを隠密裏に駆け上がる姿は、まさに、「くノ一」の名にふさわしい。

☆☆☆☆  メイド喫茶U・K
 本場英国風喫茶。ほとんど店舗を開いておらず、事実上、メイドコンペ専門店。矢柱つぼみの意を受けて(?)、ほっちゃん総理の思惑をくじくために刺客メイドを次々粉砕、さらにはロリポップを倒して伝説のメイド服を回収。直後に閉店した。伝説のメイド服はその後、つぼみの手に戻った。未確認メイドX(UMX=ユーマックス、本名不詳)は、みさきターン、究極の笑顔(アルティメット・スマイル)、神秘の笑顔(アルカイック・スマイル)などメイド喫茶界の高ランク必殺技をコピーできるほどの技量の持ち主だが、矢柱みのりには「個性がない」と喝破された。閉店のため、四ツ星の格付けを返上。

★★★☆  メイド喫茶ロリポップ
 アニメ「メイドうぇいとれす★みのりちゃん」の監督である矢柱大樹が経営していた喫茶店で、本当の「日本初のメイド喫茶」。矢柱一家の海外転居に伴い、2001年から店舗を閉めていたが、06年春に1人帰国した大樹の娘、みのりにより、メイド喫茶として営業再開。「メイドうぇいとれす★みのりちゃん」における主人公・みのりが着用していたメイド服のモデルである「伝説のメイド服」を一時休業以前から使用していたが、矢柱みのりが使用していたメイド服(もともとは母・矢柱つぼみ用)は、メイド喫茶U・Kに敗れたことで奪われてしまう。現在は前原アルビス製作のメイド服を着用。みのりは記憶力、語学力、身体能力ともに人並み外れたものを持っており、飲み込みも早い。当初は依存心が強かったが、千草戦を境に突発事態への対処能力を開花させた。みさきターン、究極の笑顔(アルティメット・スマイル)などを使いこなすが、本人は「ただのまねっこ」と評価。の割には、決まった必殺技を持っていない。アンリミVS真アンリミ戦に触発されたのか、「時代はタッグです」として、コックの木戸モジュガン(イラン系ハーフ)と「2000万メイドパワーズ」を結成した。U・Kの閉店に伴う、四ツ星補充戦で千草、Rafaleとのメイドコンペに圧勝するが、その間に真・アンリミが五ツ星のアンリミを破って四ツ星昇格したため、定数の四ツ星にすんなり昇格はできず、真・アンリミと座席争いをすることになった。

★★★   巫女茶屋・千草
 宗像神社の神主(後に資格剥奪)が店主、3人娘がメイド(巫女風)を務める和風喫茶。外国人観光客がメインターゲットだが、最近は日本人の常連客も増えつつある。日本文化に不案内な外国人を接待するため、お経や銅鑼など、オリエンタルムードを過剰に演出してはいるが、一番のポイントは隅々まで行き届いた心配り。たきり、さより、たきつの宗像三姉妹による心遣いの波状攻撃で発動する「和三盆」は、発動の遅さこそ致命的な欠点ながら、発動したら返せない状況作成系の最強技の1つとされてきた。長く四ツ星の強豪だったが、U・Kの奇襲により瞬殺。対ロリポップの刺客メイドにも選ばれたが、矢柱みのりの「和三盆踊り」という返し技で破れ、一時は2ツ星にまで降格。その後、3ツ星まで戻した。「和三盆」の3姉妹の連携を強化し、発動スピードを速めた新必殺技は、「ウルトラスーパー和三盆ファイナル」などの名前が検討対象になったが、最終的に「和三盆・改」という無難なネーミングに落ち着いた。次女さよりは「有平糖-ALFELOA-」でアイドル歌手としてもデビューもしている。

★★★   ゲーム喫茶Rafale
 店長は篠宮梓。テーブルの代わりにビデオゲームの筐体を設置し、喫茶軽食とゲームを同時に楽しめる店。メイドの水原桜子は全国トップクラスのゲーマーでもあり、格闘、シューティングはもとより、クイズゲームにいたるまで、あらゆる対戦ゲームに通じ、勝つためならルールの範囲内で何でもする。ニッチ向けと思われていたが、徐々に一般層にも常連客を広げてきている。2006年10月頃、DDR系の大型筐体を導入。ダンスゲームのステップで御主人様を魅了する新必殺技「鳥獣GIGA」を修得した。

★★    メイド喫茶エターナルピンク
 第1話でアンリミにメイド喫茶破りを仕掛けて、鎌ヶ谷みさきに撃退された。この時点では前後の発言から二ツ星だったとおもわれる。第3話では開店まもないロリポップにメイド喫茶破りを仕掛け、矢柱みのりのデビュー戦の相手となり、惜敗した。その後、一時は星なしの露店にまで落ちぶれながらも、三ツ星まで復権するが、U・Kに敗れて二ツ星に降格していたロリポップの三ツ星奪還の踏み台となって二ツ星に。さらに、半年の実戦ブランクのあった鎌ヶ谷みさきも萌仮面レディとしてエターナルピンクをほふっている。極上のかませ犬といってよい。エースは、巨乳のりんごと猫耳のみかんの2人。なぜか2人のメイド服のデザインが異なる。当初はボディタッチなど反則スレスレのお色気系のアタックを中心としていたが、新年度を前に、ヤンデレ喫茶への脱皮を模索中。

★★    ツンデレ喫茶・委員長
 成長株と評価されていたが、U・Kに敗退。ほっちゃん総理に対ロリポップの刺客メイドに選ばれていた模様。

★     世紀末救世主喫茶・北斗星
 ロリポップと同時期の06年春に登録された店舗。二ツ星まで昇格し、ほっちゃん総理の対ロリポップ刺客メイドに内定するが、U・Kに敗れる。

☆不明   メイドベーカリー・ホットシロップ
 メイド服のカチューシャ型クロワッサン「カチュサン」で一世を風靡した。中に苺ジャムを包んだ「苺カチュサン」も投入。タイアップアニメとして「カチュさん」が放映されている。(1巻「萌仮面の部屋」より)

☆不明   ジャングルカフェー褐色秘境
 06年春のオープン。詳細不明。(1巻「萌仮面の部屋」より)

☆不明   カレー喫茶プリティヨーガ
 同上。なお、「ヨガのプリンセス プリティーヨーガ」(講談社、稲留正義)との関係は不明。(1巻「萌仮面の部屋」より))

☆不明   メイド喫茶・王様気分
 アンリミ解雇直後のみさきに、移籍要請とみられるメールを送ってきていたメイド喫茶の1つ。当時は四ツ星だったか、三ツ星の有力店の可能性が高いが、ロリポップ同様、分際をわきまえてなかっただけかもしれない。また、実はみさき御用達の通販サイトでメイド喫茶とは無関係、といった可能性もある。

☆不明   Amusment Cafe めいどinじゃぱん
 アンリミ解雇後、行方をくらませた鎌ヶ谷みさきを探すテレビ番組「みさきたんをさがせ!!」のスポンサー。秋葉原に実在したメイド喫茶で、「ろりぽ∞」1巻発売記念のサイン会が行われた縁での友情出演。番組レポーターのメイド2人も実在の人物がモデルらしい。ただの友情出演なのか、作品世界に同名店舗が実在する想定なのかは不明だが、残念ながら同店はすでに閉店しているため、今後の登場は絶望的だろう。

☆不明   めーめー
 06年夏の「萌仮面の部屋」で新規店として紹介されており、早くとも前年秋以降の開店とみられる。夏サービスとして、店内を夏祭り風に壊走、メイドがカキ氷を神輿に乗せて担いでくる新サービスを提供した。(3巻「萌仮面の部屋」より)

☆不明   メイド喫茶・鳩ノ巣
 メイド仙人こと矢柱つぼみが一人で切り盛りする峠のメイド喫茶。おそらく未登録。営業開始からわずか1週間程度で、閉鎖的な山間部の地元住民にすっかり溶け込んでいる。

☆不明   ぺたんこ喫茶
 名前の通り、貧乳メイドを取り揃えたコンセプトカフェの模様。しかし、「ニセぺた」、すなわち、騙されて偽装貧乳メイドを雇用してしまったらしい(詳細不明)。5巻「萌仮面の部屋」に過去記事としてタイトルのみ掲載。


*4巻「萌仮面の部屋」のメイド喫茶ランキング(1位アンリミ、2位白亜館、3位オトナシ、4位ネコネコネネコ、5位エンドロール=9月23日現在)と10月とみられるREX08年2月号(26品目)の四ツ星ランキング(3位オトナシ、4位ネコネコネネコ、5位エンドロール、6位WHITE WISH、7位プリティヴェール?)は共通項があまりに多い。アンリミの「五ツ星」は名誉称号であって、実際には四ツ星店の1つに数えられている可能性もあったが、真・アンリミに敗れて四ツ星降格したことから、その可能性は低くなった(なくなったわけではない)。つまり、この短期間で四ツ星内のランキングを駆け上がった店がほかにいることになり、この店は今後の注目株になるかもしれない。(09年1月追記)26品目の5巻収録時には7位がプリティヴェールではなく、初芽局になっていた。6巻の「萌仮面の部屋」では、ランキングの5位に初芽局が上がっている。


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